name 幕間

「蓮、お前すごいな。」
社は電話口でタメ息を漏らした。
「正直、何カ国語いけんの?」
社は事務所の俳優部にいる。マネージャーとしての会議があり、そこで佐野に捕まったのだった。

もし、敦賀さんがフランス語に堪能なら、京子さんと琴南さんに教えて欲しいのだけど。

「みっちゃん、策士だなぁー」
60年代とでもいうようなスーツ姿の社長が苦笑している。今日の仮装テーマなのかもしれないが、普通過ぎて残念だと佐野は思った。
「蓮の好感度も最上君の好感度もあげるって、スゲえわ。」
佐野は笑う。
「うっかり二人っきりでもお勉強ですからね。」
社長のニヤニヤが止まらない。
「社が困ってたぞ、教育番組からのオファーが増えたって。」
佐野が吹き出す。
「いいんじゃないですかープププッ」
「オイ、策士。オレが頼んだのはその方向性じゃないぞ?」
社長の眼は笑っているが、ヤッパリそっちの確認なのか、と佐野は表情を改めた。

その頃、ラブミー部は久々に三人が顔を揃えていた。
天宮は所属事務所が違うため、今回はLME本社に来ないことで嵐を回避。また佐野ともラブミー部の仕事だけで関わっている。
「やっぱり事務所移るべきだったんだわ〜」
と雨宮は二人のヨーロッパ土産を眺めてタメ息をついた。
「そうでもないわよ。」
と琴南がちょっとイライラした風に応えた。
「どうしたのモー子さん?」
「いや、ぼちぼち恐怖の先生がいらっしゃるかなって。」
時計は14時40分を指している。
「あー」
天宮は琴南のイライラがわかるような気がした。
佐野からフランス語講座の教師認定された敦賀の嬉々とした雰囲気に、琴南は居心地の悪さを感じているのだ。
フランス語だけでなく、英語に至ってはスラングからスピーチ英語と幅が広い。
映画やドラマでの言い回しなど、琴南もありがたいと思っていたが。
「英語で話してる敦賀さんて、自然よね。」
天宮がボソッと言う。
「そうなのよ、そして必要以上にフレンドリィ。」
なにしろ、「kyoko」「kanae」「chiori」と普通に呼ばれるので、いつものさん付けでない上に、「ren」と呼び返さなければならない。なんとかMr.で誤魔化そうとした3人は、キュラキュラ笑顔の前に屈したのだった。
そして、敦賀蓮の正体は一体?と3人ともに疑問を持ちつつ、帰国子女なのかとも聞けず、甚だ気持ちの悪い思いを抱いたまま、不可思議な異国情緒を味わっている。

「で結局この教室はいつまで続くの?」
「あー、ショートフィルムの撮影時までとは、聞いてますよ。」
キョーコが二人に告げる。
あそっか。と二人もうなづいた。
そもそもがフランス人監督のショートフィルムのための準備だったのだ。

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