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「はじめまして、大友です。」
微笑んで差し出された手を、ちょっと感慨深げに眺めて敦賀は握手に応えた。
「敦賀です。よろしくお願いします。」
見慣れたLMEの社長室で、そこには社長と大友の姿しかなかった。
「では、よろしく。」
社長が大友に声をかけて、去ってしまう。
「?」
「ああ、僕がね、宝田さんに確認させてもらったら、ここで話した方が、セキュリティーもいいってね。」
敦賀は少し構える。セキュリティーがいるような話、の方向性が見えない。
「君自身のことで、ちょっと引っ掛かる事があるんだ。」
初老というか社長とそう年代は変わらないであろう彼の声は低いが聞き取りやすい。
「ズバリきくけど、その偽物の眼と髪、取り除く気はある?」

 一気に部屋の温度が下がった気がした。

「僕にはわかってしまうんだよね、そういうの。どうしてそうしたのかは全く興味ないんだけど、僕が撮るのは本来の姿がいい。」
「……」
「宝田さんにこの話をするといったら、この場所にしてくれとだけ言われた。あとは君次第だと。だから、僕は理由はしらないんだよ、ほんとに。」
大友はちょっと大きな呼吸をした。
「僕がね、「京子」を美しいと思うのは、どこにも弄った形跡がないのも大きいんだ。俳優やタレントの矜持として整形っていうのを否定するつもりはないけど、僕の美意識からは離れるんだよ、整形の痕跡っていうのは。」
「そのせいか、僕の眼には見えちゃうんだ。君の瞳が、不自然だって。」

「君にオファーをだしたのは、君のその不自然な眼を「京子」が不安そうに見ていたからだけど」
「え?」
「あーっと、彼女は君の眼にあるのは普通のコンタクトだって思ってるよ。不自然とも思ってないかもしれないけど、多分、全幅の信頼をおいていいのか本能は警告してるんじゃないかな。」
 敦賀は無意識に左手で右腕を強く握りしめていた。
「君は熱意のある俳優だと思うから、、僕の映画はみたんだろう?」
 やっとの思いで敦賀はうなずいた。
「なら、解ってもらえるかな。嘘は言ってないって。」
「はい、それは。」
敦賀の頭には、クビを告げるあの忌々しい記憶がのしかかってきた。
「ま、君が本来の姿をさらす気がないにしても、君を撮るよ。僕は今の「京子」をどうしても撮りたいからね。その引き立て役になるのか、共演になるのかは、君次第。」
 大友の声はけして否定的な響きではなかったが、潔癖そのものだった。全ては彼女の為だから、君がどうなろうと興味はないと宣言されたようなものだ。
「即答できないのはわかっているけど、1週間以内には返事をくれないか?」
「ありがとうございます。」
敦賀は深く頭をさげた。

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