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Umbrella/3

前回は/2

そして、「アンブレラ」と「アンブレラ・dark」こちらは、このUmbrellaの後のお話です。
  ♪
Now that it's raining more than ever
Know that we'll still have each other
You can stand under my umbrella
You can stand under my umbrella

これまでにないくらい雨が降ってるけど
わかって 私たちにはお互いがいるって
あなたは私の傘の下にいられるの
  ♪


聞こえるのはただ、早い鼓動。
広いリビングに微かに、外の雨音が小さなノイズのように、時折混じる。

抱きすくめたまま、蓮は動かない。
抱きすくめられたまま、キョーコも動けない。

ただ、お互いの表情もわからず、伝わるのは、体温。
広い胸、逞しい腕、大きな手。

・・約束。

・・雨にうたれるような事、しないで。それは、、。

バクン
キョーコの心臓が大きく跳ねる。

「もうしません。」
「うん。」

ぎゅう
さらに抱き寄せられる。

「約束だよ。」

ぎゅう
胸が苦しくなる。
・・どうして?
・・勘違いして、飛び込んでしまいたくなる。
でも、これは、違う。
きっと誰かに重ねているんだ。

敦賀さんの闇。
それは誰かを喪った苦しみ。
大切な誰かを・・・
だから、これは私に向けた気持ちとは違う。
違うんだ。

敦賀さんは誰も好きになったりしない。

ぽたん

それは蓮の腕に落ちた。
ぎくり
蓮が身体を震わせる。
緩む腕。

すり抜けて、キョーコは慌ただしく乾燥機に向かう。
ぽたぽたぽたぽた
溢れてくる涙は止めようがなくて、キョーコは乾燥機の前にしゃがみ込んだ。
・・どうしよう。
涙と一緒に気持ちが溢れてきてしまう。
いま、ここで、敦賀さんに「好きだ」って言ってしまったら。
「そんなつもりじゃなかった。」
辛そうに見つめられたら、どうしていいかわからない。
困らせたくない。
けど。
どうしても、
そばにいたくて。

・・しっかりして、キョーコ。覚悟したんじゃない。

ぎゅっと拳をにぎって、涙を拭う。
そして、乾燥機の扉を開けた。


「送るよ。」
着替えたキョーコの姿に、蓮が立ち上がる。
「あ、いえ、タクシーで帰ります。」
「いいよ、社さんにも言われてるし。」
「でも、お疲れなのに。」
「ちゃんと帰ったかのほうが心配だから。」
いつも通りの少し意地の悪い笑顔に、キョーコは俯く。
「はい。」

さっきのことがまるで妄想だったのじゃないかと、思う程に。

「最上さん、折り畳み傘いつも持っていたのに、どうしたの?」
助手席でキョーコは身体を縮こめる。
「それが、今日に限って、忘れてしまって。」
鞄を抱え込む。
ほんとうは傘が入っている。
「そう、、、なんだ。」
「あの、そんなに傘持ってるってアピールしましたっけ?」
少しむくれたようにキョーコは答えた。
「してたよ。」
くす
蓮が笑ってみせた。
キョーコも、苦笑いをかえす。

敦賀さんを苦しめたいわけじゃないから。
ただ、密かに、密かに、私だけに向ける笑顔を願うだけだから。

車のフロントガラスを雨が激しく叩いていた。




*****



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