素敵な恋のはじめかた

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甘いお話を書きたくなって。
ええと冒頭は「コイバナ」の続きですが、、、、
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街灯に艶やかに光る黒髪とその髪を守るように包む手。
腰に届くかどうかとゆれるその黒髪の先には鞄とともに彼女の体を抱く腕。

黒髪の彼女の手が彼の顎のラインをなぞって、彼の眼鏡をはずす。
そのまま二人の顔が重なって、彼女の髪に触れていた手はそれを一部束ねて掴んでいる。

かくっと彼女の膝の力がゆるんで、彼が鞄とともに彼女を抱えていた右腕に力をこめた。
そして、そっと二人の顔が離れ、彼の顔に眼鏡が戻る。


「・・・・!!」
キョーコは叫びそうになる口に手を強く押し当てた。
となりで蓮も固まっている。


事務所からもそこそこ歩いたところだから、社が迂闊だったわけではない、と思う。
ただ、何もこのタイミングで、出会わなくてもいいんじゃないかと・・。
「ちょっと離れてから、行こうか。」
と、蓮はキョーコにひそっと声をかける。
キョーコは口を手で塞いだまま、深く頷いた。
その顔は熟れた林檎かトマトかというほど、、、、
蓮はくすっと笑みをもらしてしまう。


社は蓮達に気付かずに彼女の腰を抱き歩きだした。
寄り添って歩いていく、大人の男女の姿。


そう、道を引き返したってよかったのだ。
蓮は、距離をあけて小さくなった人影に思う。
事務所から、話題のショッピングビルへ抜ける細い道。

あんまり人目につかず歩けると言っていたのは、、社だった。
その途中の小洒落たビストロを教えてくれたのも、社だった。
「キョーコちゃん、好きだと思うぞ〜」
ニマニマと目を弓なりにして笑っていた社を思い出して、蓮は額に手をあてた。

・・・定番のデートコースを教えてくれたってことか。

真っ赤になったままのキョーコをちらりと伺って、蓮は小さく息を吐く。
ご馳走するといって連れてきたはいいけれど。
あれを見せつけられて平常心でいろというのは、無理だ、と思う。

「や、社さんの、、かっ彼女さんて、、美人ですね。」
なんとか話をしないと、と思ったらしいキョーコがそう言った。
「うん、そうだね。」
確かに、綺麗な人だと思った蓮だけれど、見ていたのは「男」の貌になっていた社の方だった。
蓮を揶揄うときのあの女子高生のようなきゃぴきゃぴ感が、微塵もない。
しれっと、キスマークに決まっていると言外につきつけた、あの雰囲気だ。
年上の男性であることを、蓮は改めて認識する。

「なんか、悔しいな。」

「へ?」
キョーコがビックリしたように蓮を見上げた。
あ、しまった、口にだしていたと蓮は思ったが、それを表にだすほどではない。
じっとキョーコを見つめる。

「キス、しようか?」

「は?」
ぽかんとキョーコが蓮を見上げ、そして、真っ赤になってずささっと後じさった。

「だって悔しくない?あんなキスシーン演じてみたいよね?」
自分の貌はきっと悪い笑顔だろうと、蓮は思う。
「やややや、、あの、どどどうして、わ、ワタクシメが、つ敦賀サマと、そ、そっ。」
ふわわわわっとおぼつかない口元が目立たなくなる程、キョーコの顔は真っ赤になっている。
「依頼があっても、そうやって逃げるのかな?」
くすっ
蓮は「敦賀サマ」に少しカチンときながらも笑顔を浮かべて、目を細めた。
そう、その笑顔がキョーコに「夜の帝王」と言われているのを自覚した上のこと。

「あ、あのっそのえと、身長とか、、その。」
まだ言い淀むキョーコを蓮の長い腕が包み込む。
「演技にそれは、関係ない、よ。」
すうっ
耳に指を這わせれば、
はわっ
キョーコが身体を竦める。
それに構わず、蓮はそのままキョーコの頬を撫で、顎をくいっとあげさせた。

屈み込んで、顔を寄せる。
ぎゅ
キョーコの瞼が固く閉じられた。

~~~I have a crush on you.~~~(君に夢中だよ)


開いたキョーコの瞳に、蓮は笑みかけて、つぃとキョーコの顎においた手に力を少し込めた。

そうっと
唇が触れる。
ぐっと
重ねる。

顎から、頚そして、髪を抑えるように、そのちいさな頭を掌に包み込む。

んっ
苦しそうな鼻声がして、蓮はそうっと少し離れる。
潤んだ瞳が蓮を見つめるのに心を弾ませる。

ちゅ
わざと音をたてて、蓮は再びキョーコの唇に軽く触れそして、顔を離して、抱きすくめた。

「本気だから。」
キョーコの耳許に囁く言葉。

「ず、、狡い・。」
胸元から小さくあがった抗議。
「信じて。」

「・・・信じます・・。」

「演技じゃ、ないよ?」
蓮は少し恐る恐る言う。
「・・ハイ・・。」
「うん。」
ぎゅう
蓮はキョーコを抱き締める。


「じゃ、恋人のキスを、しよう?」



end




*****
だ、、だめだっ。
タイトル負けだ・・・
社さんに負けん気をおこして、頑張る蓮さんと逃げるキョーコさんで、いちゃこらとスレスレ会話の予定が、蓮さんの手が早い・・・・。
しれっと
しれっと
キスっていっちゃうんだも〜ん!!

キョーコちゃんの脳内ジタバタぶりは、、書いてみる?

これ、1年前に書いてボツった記事を再構成です。・・始めた頃の話は甘かったんだな・・。





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