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野茨の棘8

前話は解説と目次を参照下さい



「ちょっと落ち着いた方がいいよ。」
石橋は旧校舎には向かわず、講義棟の方へナツの腕を引いた。
泣いてる姿を人目に晒すのはと、講義棟の隣の図書館へ、すすむ。
「ありがとう。」
そう言ったナツの顔にもう涙はなかった。
「ちょっと、吃驚しちゃって。」
「うん、俺も、。」
石橋は苦笑いする。
・・あんな睨まれ方して、よく腰抜けなかったよ、俺。

「余計なことかも、だけど、抱きつかれちゃっただけじゃ、ないのかな。」
石橋はナツがこのまま別れてしまえばイイと思う心でそういった。
くすっ
ナツが苦笑を漏らす。
「付き合ってるわけじゃ、ないもの。」
「え?」
図書館脇のベンチに腰掛ける。
「あの人もてるし、あんなことしょっちゅうだから。」
「他学部の高校の友達もかって、びっくりしただけ。」
ナツが小さくため息をついた。
「誰か一緒にゼミに来て欲しかったんだけど。」
ちらりとナツは石橋を見た。
「お、俺、頑張るよ。」
「わ、よかった。教授もね厳しいけど凄く楽しい方だし、院生のね、社さんはいい人だし、いいゼミなのよ。」
ナツの話の様子に、石橋はホッとしてしまう。


**


「敦賀さん、うちの高校に時々来てましたよね。」
蓮の背中に向かってユミカが投げかけた。
「だから、何。」
ナツにつけられた傷を確認するかのように蓮は頬を指でなぞる。
「認めるんですね。」
くすくすとユミカが嗤う。
蓮はユミカに振り向く。
「いいえ、まともじゃないって解って楽しいだけです。」

「可哀想な北澤さん。」

「そういう駆け引きは苦手なんだ。」
「冗談きついですよ。法律家は駆け引きが専門でしょう?」
「きみは・・・。」
蓮は眉をひそめてユミカを見た。
「普通にキャンパスで私に会うより、驚いたんでしょうね、彼女。」
ふふふとユミカはわらう。
「お姉様方がいうように、あなたに抱きついていなかったら、気がつかなかったかしら?」

・・・悪魔。

『こうやって吊るし上げた人達は楽しかったのでしょうね』
ナツが博物館で呟いた言葉。

『ご同類でしょう?』
人の妬み嫉みをうけながら、どうやって生きてきたの?生きてくの?

自分の「ほんとう」を殺して、周りに埋もれる?
自分のあるがままにふるまって、周りに殺される?

『血を流してでも愛でるもの』

さわさわと微風にノイバラの花の薫りがのった。

白く咲き誇るその花を蓮は見上げる。
棘で身を守り、自身の棘で傷つきもする花。

だから、君を綺麗だと、思うんだ。
愛でていたいと、願うんだ。






*****
闇が一層濃くなっちゃいましたかしら、、







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