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野茨の棘7

前話は解説と目次を参照下さい


「き、北澤さん!」
ツカツカと蓮達の方へ歩き出したナツを、石橋が慌てて引き止める。
どうであれ、これは修羅場だと。

「ほら、あの花のね、押し花をしたの。」

ナツがくるりと石橋を見て、壁を指さした。

「とても綺麗、、でしょう?」

「ナツ!」
がっしりと後ろから蓮がナツを抱き締めた。

「離して。」
「厭だ。」
「離してったらっ!」
ぱあん



蓮の頬を打った手の爪先が、皮膚をピッと裂いていた。
妙な感触。
蓮の背に幾つもつけた爪痕に、似て。

朱く、蓮の頬に走る線。

ナツを睨む蓮の昏く鋭い瞳。
それに捉われて、動けない。
そんな目で見られる理由がナツにはわからない。
厭、イヤ、嫌、そんなのは、北澤ナツではないもの!
懸命に脚を動かせと体に命じた。

自分の名前も行動も、ユミカが蓮に教えていたんだ。
それで辻褄が全て合う気がした。
ターゲットの誰かの身内かも、、と
何処かでそれをナツはずっと抱えてきた。
あの不自然な出逢いは、「仕掛け」だったんだ。

「ユミカ、久し振りね。」

笑え、微笑んで、見せつけてやれ。
ユミカになんか、私を揺るがせることなんかできないと。


「同じ大学だったなんて、奇遇ね?」

「違うわよ。アナタを追いかけてココに入ったのよ。」
ユミカが微笑んだ。
「まあ、あたしの頭だと文学部でギリギリだったけど?」
ユミカが髪を撫であげる。
「ほらきっと、タイクツなんじゃないかと思って。」
「ナツ、様?褒めてくれない?」
「足りない頭で、頑張って考えて、アナタが楽しめるように、したのよ?」
ユミカがくつくつと笑った。
「平手打ちなんて、フツーの女の子みたい、残念。」

「あら、それは悪かったわ。」
胸の奥底で絡まりついた茨の棘から血が噴き出すみたいに。
そして噴き出した血が、どす黒く粘い塊となって、ずっしりと体の奥に溜まっていく。
「おかげで少しは大学生活が楽しくなりそうよ。」

「ナツ。」
蓮の声を聞かない。
「ナツ!」
蓮の顔を見れない。
「北澤さん、も、いいよ、ね、今日は。」
石橋が真っ青な顔でナツを見ていた。
「やだ、気にしないで。、というか、石橋くんに、悪い事ばかりで、、。」
ポロリ
落ちた涙に、石橋がいっそう慌てる。
「行こう。」
石橋の差し出した手に、ナツは縋った。


もう野茨の白い花を見ることができない。
できないんだ。






*****
拗れた!

蓮さん、どうするよ。(お怒りのあまりナツ呼びしているし。)
ただのストーカーだったとは、、いえない、、よねぇ。
ナッちゃん勘違い、、、。
ユミカ、毒ノートより怖い。

・・文学部云々はあくまでユミカさんの主観と解釈くださいね。

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