スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

web拍手 by FC2

野茨の棘6

前話は解説と目次を参照下さい



「こういうのが皐月晴れって云うのかなぁ。」
ナツの横で石橋がぐうっと両腕を空に伸ばして笑った。
「石橋くん、詩人みたい。」
微笑んだナツに石橋が照れ臭そうに鼻をかいた。
「でも、ホント良いお天気で、気持ちがいい。」
ナツは石橋の真似をして、両腕を伸ばした。
ひらり
右手が抱えたノート類の隙間から、花弁が落ちた。
「あ。」
地面に落ちるまえに石橋がそれを捕まえる。
「これ、もしかして。」
「ありがとう。」
ナツはその白いノイバラの花弁を、ノートに挟みこむ。
「、、そういうの、いいね。」
石橋がナツを覗き込む。
「そう?」
微笑んだナツにまた石橋は言葉に詰まって、別のことを切り出す。
「、、旧校舎の方にゼミ室があるなんてね。」
ナツは石橋とゼミ室に向かっていた。

普通1年次ではゼミには入れない。
Aゼミは受入れ可ではあるものの、レポートが厳しいと評判だった。なにしろ旧制度の司法試験では学生合格者はAゼミからでていたという、学内きってのエリートゼミ。
要は受入れてくれるが、落伍者も多い。
ナツが早々にそのAゼミに出入りしているのは、有名な話になっていた。
Aゼミきっての優等生の敦賀をたらしこんでるから、ついていけてるんだろうと、そんな陰口もついて。

「北澤さんは、そんな人じゃないよ。」
石橋が陰口を叩く集団に激昂して、悔しいならAゼミにいってみればいいんだと、いってしまったのだった。
入学してまだ1ヶ月少々なのに、、ナツの周りには男子学生がいて、女子学生からは目の敵にされる構図が完成していた。
人の良い石橋などは、それは良くないと躍起になるのだが、すればするほどおかしな方向へ捻れていく。
「かーわいそっ。北澤さんに手玉にとられて。」
「あの人、敦賀さんと石橋くんと二股?すごいよねぇー。」
「やだやだ、ちょっとばっかりキレイだからって、男にちやほやされて。」
キャラキャラと笑う集団に石橋が憤慨するのを、他の男子学生が止める。
「落ち着けよ。」
ナツが困った顔で石橋を見ているのに気づいて、項垂れる。
「石橋くん、ごめんね。」
そのナツの言葉に石橋は慌てた。
「俺こそ、ごめん。」
そして、ナツはお詫びにゼミ室を案内すると石橋を誘った。

まだ、ノイバラは白い花をふんだんにつけて咲き誇っている。

「そうだ、さっきの花、石橋くんには教えてあげる。」
ナツはその思いつきが何か楽しいもののように感じた。
石橋の目にアレはどううつるんだろう?
「とても綺麗だ」と蓮のように言うのだろうか?

「ほら、そこに、さっきの・・・。」
ナツはいいかけて、しかも脚を止めてしまった。
「え?、あれ、つる、。」
石橋の口も足も止まる。

咲き誇るノイバラの壁の前
長身の男に抱きつく黒い髪の、、。

「ユミカ、、、」
石橋はナツの溢した言葉を拾ってしまった。

蓮がナツに気づき、また、ユミカもナツに気づいた。
にやり
ユミカの口の端が歪む。

ナツは微笑んだ。

白い花が次から次へと咲いて、辺り一面を白く白く包み込んだ。







*****
はい。
姉さん、事件です。

・・・と、お茶を濁してみました。
ちおりんでなくて、ユミカです!
目撃者、光君。
階段より、きついかもね。


関連記事
web拍手 by FC2

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

message
場内整備を勉強しておりますが、不行き届きがあって申し訳ありません。何かのご連絡等は<読者様相談窓口>にコメントをお願いいたします。よろしくお願いいたします。
最新記事
counter
カテゴリ
flyaway news twitter
ブログとHPの更新状況とちょっと呟き フォローはご自由にどうぞ!(フォロー返しはあまりないかも)
Link
上部のサイト様は相互リンクいただいてます。 マナー携帯でご訪問くださいませ。 下部のサイト様は大好きサイト様で、リンクフリーに甘えさせていただいてます!!
検索フォーム
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。