久遠ノ姫 陸

タイトルは一見パラレルですが、映画タイトルなんですよ、と。
そして、噂の人魚フェア「リク魔人の妄想宝物庫」にて絶賛開催中!
参加作です!
でも人魚っていったら、やっぱりメルヘンな人魚姫♡な方は、フェア会場へUターン願います!!!

拙宅はひねくれマイナー道な妄想を繰り広げておりますよ!




父に連れられて、見てきた絵。
長旅の先であったり、呼ばれた邸宅の自慢の品であったり。
その当代の衣装をまとい、憂いがちな表情をみせてた絵のひと。
気になるようになったのはいつだったのか。

窓の外をただ憧れるように眺めるばかりの千世を見ながら、久夜は記憶を手繰った。

「ああこれは。『久遠ノ姫』」
親切な主人が語りだした話。

嵐の明けた朝。
浜の様子をみにでた男は、打ち上げられた美しい女を助けました。
何も覚えてないという女を、まずは身体が落ち着くまでと男は家に預かります。
ただ、男には妻がおり、妻はそれを快く思わなかったのです。
・・美しく若い女。
妻は町で親切な顔をしながら、記憶がない綺麗な女を誰か探していないかと吹聴してまわりました。
そんなことをすれば、いろんな人間がさまざまな思惑で尋ねてくるのです。
妻の思惑を知ってか、女はその中でも一番お金持ちを選びました。

・・なにか懐かしい気がします。

そう言って選んだのは豪商でした。
女を助けた夫妻に謝礼をはらい、女を屋敷に引き取ります。
商人は自分の取引に有利になるよう、その町の有力者に女を妾として渡そうと画策しておりました。
そのために、絵師にその姿を書かせたのです。

絵師は歳をとっておりました。
だから以前にもその女の絵を書いたことを憶えていたのです。

「私は貴女を描きました。あれからもう随分の年月がたったというのに。」

「他人の空似では、ありませんか?」

「いいえ、私はこの道で食べているもの。眼をお疑いか?」

女は忽然と姿を消しました。
その年老いた絵師は、師匠からも聞いていた、
不老不死の美女の話を思いおこします。
そして、描きかけていたその絵に
「久遠ノ姫」
つまり、ずっと姫の姿のままと。
そして、その姫はかならず、海から現れるのだと書き残したのでした。


久夜は思い出しながら、千世を見た。
船で噂されていた、千世の来歴。
・・・難破した船から助け出された。
・・・商人に買われて、殿様に献上される。
・・・姿を書くように命じられた絵師。

自分がまるで物語に取り込まれたのかと、都合の良い話を記憶がつぎあわせたのかと久夜は軽く首をふった。
・・・けして、都合は良くないけれど。
・・・心惹かれる理由にはなるな。

その『久遠ノ姫』を模写させてもらったのだったと、
それだけ気になる「画題」だったのだと、久夜は思う。
そして、、その模写を持参したのではなかったか?
慌てたように、自分の荷物を解く。

遠くを見る貌。

同じ女だと。

絵ではあるけれど、絵師が描かんとした、憂いが同じだと、久夜はその絵を呆然と眺めた。
同じ女であれば、齢は100年を充分に越える。
「千世」
千の世。長い時。
まるで揶揄うようなその名。


「その御名はどのような由来なのです?」

「父が、つけてくれました。取り立てて面白い名ではありますまい。」

千世は久夜を見ない。
ただ、窓の外の海を見ている。

、、白魚のような白い抜けるような肌。
、、触れてみたい。
、、魔性のものだと知っていて?


くすり
千世が久夜を見て笑った。
「私の名の由来を聞いた方は、貴方様で、2人目。」
「2人目。」
「ええ、最初に聞かれた方も、絵師、でいらした。絵師とはそういうことを尋ねるものなのですね?」
久夜は手をとめて、ただその瞳に吸い込まれそうだとその貌を見つめる。
「姿形ばかりを描くものではない。そうなのね?」

ついっと
久夜の貌を白い指がなぞった。
両の手で顔が包まれ、そして、指が瞼に触れる。
「わたしをみてはいけない。」

そして、その晩、嵐がきた。




*****
すいません、お話だけ。
ちょっと何話かはストーリー追いますので、、、


拍手ありがとうございます!
もう色っぽさ全開でがんばりますわ〜〜


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更新有り難うございます!

明日の夜にでも、拝読に伺いますねー!
取り急ぎ御礼まで!

Re: 更新有り難うございます!

> 魔人様

コメントありがとうございます〜
この話、たぶん長くなるので、すみません!!!
フェアなのに〜お手間おかけいたしますっっ

ストーリーが凄いですね。

こんばんわ。蓮様、キョーコちゃん出てこなくても、ストーリーが凄いですね。浦島太郎みたいな、いにしえの海の匂いがする話。すみません、時代背景は遣明船でしたっけ??古い絵巻を開けた時のようなほんのりカビくさいような、それでいて潮の匂いがするような、しかしほんの少しだけシーラカンスみたいな動物っぽいような(魚ですかね??)…。独特の世界観ですね。しばし、全く違う世界観の中を心が散歩してきました。どうもありがとうございました。

Re: ストーリーが凄いですね。

> Genki様

いつも素敵なコメントありがとうございます。
浦島太郎!たしかに人魚よりそっちの気配が濃厚です。。
映画の筋が妖しく不思議な世界にならないと!と書いてますので、嬉しいです。
これをグアムの海でとる近衛監督。。。頑張って頂きたい!!(苦笑)
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場内整備を勉強しておりますが、不行き届きがあって申し訳ありません。何かのご連絡等は<読者様相談窓口>にコメントをお願いいたします。よろしくお願いいたします。
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