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久遠ノ姫 弐

タイトルは一見パラレルですが、映画タイトルなんですよ、と。
そして、噂の人魚フェア「リク魔人の妄想宝物庫」にて絶賛開催中!
参加作です!
だから、どこかで人魚はでてくるのです。
でも人魚っていったら、やっぱりメルヘンな人魚姫♡な方は、フェア会場へUターン願います!!!

拙宅はひねくれマイナー道な妄想を繰り広げておりますよ!
しかも、展開を拍手強要という巻き込み型。






「ただいま」
「おかえりなさい。」
蓮は玄関口でぎゅーっとキョーコを抱きしめた。
それぞれのマネージャーの尽力の結果、月に何回かのお家デート。
プライベートをマネージャーに管理されているような気もしないでもなかったが、そうでもしないと、時間が取れないのも事実。共演の依頼が多いとはいっても、仕事全てがそれではない。
だから、映画で共演となると、朝から晩まで一緒にいれるのだから、嬉しくないといったら大嘘だ。

ただ、蓮とキョーコにはここで大きな溝がある。

交際を公表しているし、外でハグしようがキスしようが、それがプライベートな時間ならまったくおかまい無しの蓮。
旅館に居酒屋と男女のことには耳年増なくせに、自分の経験値はゼロの純情少女なキョーコ。
いや耳年増なだけに、やれ破廉恥だのいやらしいだのと、溺れてすっぽり染まるというわけにいかなかった。

「おかえりのキスは?」
「ありがとうのキスもほしいな。」
蓮はといえば、キョーコには自分がアメリカ人だと告白したし、ハグもキスも挨拶なんだとしれっという。
会える日にはどこでどう手に入れてくるのかプレゼント付き。
(間違いなく、社さんか事務所のスタッフが走らされているのだ。お願いしているのではなく、蓮が隙間時間に買いにいこうとして止められた結果として。)
花束だったり、ケーキだったり。
そう、今晩の蓮の手にも有名パティスリーの紙袋がある。

蓮の右の頬に軽く口づけて、左の頬にもまた口づける。
キョーコも少しは慣れてきた。とはものの、「恥の文化」の大和撫子であるという主張は変わらない。
キョーコとしては、ここはお土産を頂いてニッコリしながら、
「お風呂湧いてますよ?」
とかそういう、こうなにか普通の展開をしたいのだが、うっかりそれをいうと、
「じゃ、一緒に入ろう。」
と返答が返ってくる。
「いえ、お風呂にはいっていらっしゃる間にですね、ご飯の最終仕上げがしたいのです。」
かちんこちんと緊張して口上を申し上げることとなり、蓮の表情が仔犬になってしまうので、キョーコがひたすら困惑するのだ。
嬉しい。甘えられるのはすごく嬉しくて、こう本当に甘ったるい気持ちに酔えるのだが。

さて、お風呂は切り出さなかったキョーコを蓮は抱きすくめたまま、リビングに入っていく。
ちなみに買ってきたお土産も見せただけで、キョーコにもたせたりはしない。そういうのが、蓮の常識である。

ダイニングのテーブルの上をのぞいて、きちんとセッティングされたディナーの支度に感激の言葉をのべ、キスを落とし、「急いできがえてくるね。」
そうやって、自室に一度消える。

「確かに、以前からそうだったけど、、。」
日本男児なら照れて行わない数々のちょっとした御礼に褒め言葉。それを普通のこととして蓮はするから、普通の日本人女子なら気があるのかと勘違いするのだ。
そう、もはや勘違いなどキョーコにはあり得ないと思う。
「恋人」
それに対する蓮は知り合いにする御礼の数倍は濃厚な御礼をしてくれる。そもそも、距離感が全くない。スキンシップにはじまりスキンシップに終わる。
はじめのうちは女優やモデルに向ける笑顔ですら嫉妬していたキョーコが、あ、あれは挨拶と嫉妬も覚えなくなった。
「慣れって怖い。」
ブツブツと呟きながら、暖かいまま出したかったスープに火を通し、キッチンで動きはじめる。


「どうして反対してくれなかったんですか?」
蓮の懇願により、丁寧口調を改めさせられていたキョーコは怒る時は丁寧口調になる。
「え?」
そう。
映画の話を聞いたキョーコは一も二もなく蓮が反対してくれると信じていた。
その笑顔をほかでみせちゃだめだとか、役者の法則とか、嫉妬心丸出しの蓮なら、怒るかと思ったのだ。
キスシーンはおろか、、、。

「だって相手役俺だよ?反対する理由ないよね。」

「違う俳優さんなら、反対でした?」
「それはそうだよ。」
真顔の蓮に、キョーコは顔を引き攣らせた。
キョーコが恥ずかしいと思っていることに頓着してくれないのかと。
せめて、いつもの甘々状態で「一緒なんだから大丈夫だよ。」とか宥めてくれるならまだしも。

「共演、嬉しいよね。」
その一言だったから。
何かが違う。

女優である。
であるからには、キスシーンのひとつやふたつ、濡れ場のひとつや、、、
こなせて当然だと、キョーコもわかってはいる。
・・・こういう所で甘やかしてくれない。
きっと撮影中も全力で「千世」を誑かしてくるのだ。
甘い恋人だけれど、、なにか切ない。


「千世」は絵に描かれていくうちに「久夜」との距離を近くする。
けれど、自分は人間ではない。
だから、焦がれるような視線をむける「久夜」を振り切ろうとする。
そして、嵐。
千世が呼んだそれは予想外に強く、船が座礁した。
いや、嵐より、船の構造に問題もあった。明国とて、おいそれと簡単に造船技術を売るようなマネはしない。
そういう船、だったのだ。
千世は画材を抱えて海に落ちる久夜を放っておけなかった。
小さな島に辿り着き、そこで別れてしまうつもりが、身体が回復しない久夜につきそってしまう。
その身体を温めるために、肌を重ねて。


「明日はゆっくりでいいんだよね?」
耳元で囁く声。
ちょっと身体を小さくして、キョーコは頷く。
恥ずかしいけれど、期待していないわけじゃない。
大きな身体に包まれる安心感。
大丈夫だと思う瞬間。

だから、、そんな姿を画面に晒したくない、のに。

きっと相手役が違ったら、仕事としてもっと割り切っていそうな気がする。反対されたらなお冷静に演じる気がするのだ。
きっと「千世」でいられる。





*****
はい、スキンシップ優先な蓮さんです。
どこいったフェミニスト!
プロ根性とフェミニストとどっちが優先するのかなぁ。
この先きっと現場で悩むのは蓮さんだと思います。



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