憧れのお父さん

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父と息子が飲みながら会話してるってシチュエーションが書きたくなりまして。
他所様でもおみかけしてないかなと、、かぶってたらごめんなさい。

キョーコちゃんは登場しませんが、話の展開上成立後です。
で、この人たちに大人な話(?)をしてもらいたいなと思った訳です。
そんな感じがうまくでて、楽しんでいただければいいのですが〜
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テーブルには、空になってかさねられた大皿。
デンと置かれたバーボンのボトル。
グラスは二つ。

彼はご機嫌で食べて飲んでいる。料理はもう残すところなく、あとはひたすら飲むだけ。
食欲は彼に似なかったが、アルコールに強いのは彼譲りだと思う。スモークの効いたバーボンは最近のお気に入りなんだと彼が熱弁をふるう。
「こういうのを夢見てたからな。感慨深いよ。」
彼のセリフに苦笑する。
グラスを手にして、少し氷と琥珀の液体が交わるさまをみる。
「感慨深いなんて言われると、話しにくいですね。」
ハハハ、と斜め横で彼が笑う。
「感慨深いだろう?ジュリには、男同士の話だからといったら泣かれたからな。うちには女の子がいないのにって。」
はぁぁ〜とため息をついたのは、彼。
「娘がいたら、俺は仕事にならないかもなぁ〜ジュリに似た美人さんになるだろうから、気が気じゃないし、ママみたいなモデルになるの〜とか言われて、反対も賛成もできなくて、ジュリにしっかりしてよ!とか、怒られたり、パパはどう思うのとか涙眼でお願いされたら、俺も泣いちゃうだろうし、でも、可愛いだろうなぁ。で、ジュリと女同士だからパパはダメとか言われて凹むけど、それを見てるのも絶対に楽しいんだろうなぁ。」
「まだ、あり得るはなしでしょう。」
彼はグラスを口につける。
「ま、こればっかりは、神様の思し召しだからな。なんだ、妹ほしいのか?」
くすくすと笑みをこぼす。
「いたら、俺も大変でしょうね。」

「・・・まさか、相談て、彼女まだ、ティーンエイジャーだろう、、」
やや彼がおろおろしはじめたようで。
ていうか、ティーンエイジャーということに彼がひっかかっているのかと改めて認識する。
「俺はいいんですけど、、そういう話じゃないです。」
がくーっと彼が頭を落とす。
「いいじゃなくて、頼むから、彼女に無理させないでくれよ。俺の胸中はむちゃくちゃフクザツだ。」
「フクザツって、なんですかそれ。」
「や、なんていうんだ。お前が結婚前提でまじめにつきあってるのは嬉しいんだよ。ただ、キョーコはそれこそ娘のようなもので、、お前とやることやっちゃってるのかって思うと、なんだかなぁ。」
ぎょ。
「ん、、、彼女に拒否されてるのか??破廉恥です!とか、無理ですとか。」
そうかそうか、と彼の顔に笑みが戻る。
「・・・・そんなことも、ないんですが。」
彼の表情がここまでコミカルに固まるとは思わなかった。
「久遠、、頼む。あのな、その手の相談に乗れるのは俺しかいないとは思うけど。あんまり具体的なのは、、勘弁して欲しいっていうのも本音だから。」
彼が、はあああ〜っとため息をもらす。照れた顔で、こっちをみて笑う。
「やっぱり、娘なんて持つもんじゃないな。」

「ただ、母さんの仕事をどう思っているのかなって、聞いてみたくなったんです。」
「ああ、そういうことか。」
彼の顔は至極優しい笑顔になる。
「ジュリに仕事を辞めて欲しいと思った事はないな。」
きっぱり言い切った彼はやはり優しい笑顔のままで。
「ジュリの周りにいる男どもを一掃してやろうかと思った時期もあるんだけどな。それは違うと知ったから。」
「俺はあいつらの中から、ジュリがパートナーに唯一認めた男なんだぞ。」
ニッと彼がさらに笑う。
「ジュリに恥かかせたくないからな。それと。」
「俺の妻はこんなにいい女なんだっ!て毎回感嘆してる。」
くすくすと笑みがこぼれてしまう。ああ彼はそういう人だ。
「そんな境地になれるといいんですが。」
「なんだ弱気だな。」

「ただな、これは、お前だから、いうとな。」
クーの顔は真っ赤になっている。
「ジュリにはときどき文句は言ってる。言わないとそれはそれで、問題なんだよ。」
「このほどほど加減が大切で、って、お前ちゃんと聞いてるか?」
お腹を抱えて笑いをこらえていた久遠は、クーの気配にはっと額を手で隠した。
「笑うとはひどいぞ。」
デコピンしようと伸びた手が、ぎりぎりのところで止まっている。
「いや、すみません。ほどほど加減が大切なのは、、よく知ってたんだったと、思って。」
ジュリの私の余命は○○よ!は、そのほどほどを誤ったときにも飛び出す台詞で、「いい加減にしなよ、二人とも。」とよく自分が間にはいったんだったと思い出す。
「そうだった。まあ、いまだに余命5時間とか聞かされて胸がいたいからな。」
ふふとクーが笑う。
それに対して久遠はふっと軽くため息をもらした。
「なんだ、お前しつこく言い過ぎて泣かれたのか?」
ぐっ・・・

そう、キョーコに泣かれた。泣かれた上に彼女の部屋に鍵をつけられた。
「二度と責めないって謝るまで、指一本触れさせてもらえないんです。」
がくーんと頭を下げる久遠にクーが吹き出す。
「さっさと謝ればいいじゃないか。」
「二度と責めないわけ、ないでしょう。」
「なんだ、まじめだな。とりあえず謝るほうがいいぞ、そういうのは。」
「・・・・いや、もうそれを繰り返した結果。嘘つきよばわりされてますから。」
「そうか、、、、それは切ないな。」
クーも頭を下げる。
「ていうか、そんなにしつこいのか、お前。」
「・・・・」
「・・・・まあ、真剣に心配になるほど君の演技がすばらしかったから、とか、そっちをしつこく言ったほうがいいぞ。あの子は褒められるのには弱いんだから。」
久遠の顔が真っ赤になる。
「まさか、褒めるのうっちゃって、しつこく共演俳優への嫉妬をぶつけたのか?」
クーの表情は驚愕以外のなにでもなく。
「好きな女を褒めるのは男の甲斐性の証だからな。」
クーがグラスを少し上に掲げて、にっと笑う。
「まあ、謝って褒めて褒めて謝って、抱きしめて、謝るんだな〜」
久遠がクスクスと笑って、グラスを傾ける。
「・・あ、忠告するとな、そこで押し倒したら、もっと最悪の結果になるから、な。」
ごほっ。
「・・・・・お前、それもやっちゃったのか。父さんは、情けなくなってきた。」
グラスを額につけてクーが斜め上を仰ぎ見る。
「情けないって、、でも、それ経験談ですよね。」
久遠がにっこりクーを見る。
ぶわ〜っと赤くなるハリウッドスターなんて、あんまり見たくないかもな。。
でも、やっぱり憧れの父さんで。

明日、彼女に父さんと飲んだって話をしよう。
何を話してたかはいえないけどね。



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お粗末さまでした。
書いていて、楽しかったのですが、いかがでしたでしょうか?










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