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恋セヨ、乙女!其の什一

なんやかんやで、もう什一話。



「あれ、敦賀君、弁当持参?」
貴島の声に、蓮はほんの少しぎくっと箸と止めた。

洋館でのロケで、天気も良い。
撮影の合間に、各々食事をとっていた。
ちょうど休憩に入った貴島も外で食べようとしていたのだろう、手にはお茶のペットボトルに弁当。
ただ、蓮の弁当の入れ物とは違っていた。
「今回のロケ弁屋、旨いのに。」
貴島はけろりと言って、蓮の座っていたベンチの横にどかり、と座った。
「そうなんだ。」
蓮は何気ないふうに食べ続ける。
「でもねー俺もお願いしちゃおうかなぁ。」
貴島のその一言に、蓮はぴくっと顔をあげる。
「ああ、さっきね、奏江ちゃん達が美味しそうに京子ちゃんのお弁当だって食べててさぁ。」
貴島は自分の弁当を広げ、軽く手をあわせて食べ始める。
「敦賀君は、京子ちゃんの料理って食べたことあんの?」

蓮は箸を止めた。
貴島の会話に裏はないだろう。言ったままの他愛ない話なのだとは思う。
「あるよ。彼女の料理の腕は事務所でも有名だから。」
「へぇぇ、じゃさ、敦賀君からお願いしてもらえないかな?」
「は?」
「だからさ、京子ちゃんのお弁当。」
蓮はまじまじと貴島を見た。
「敦賀君もつくってもらえばいいじゃん。」
・・いや、作ってもらったんだけど。
それに気づかれないのは良いのか悪いのか。
「あっと、誤解なく!俺は好奇心と、奏江ちゃんとの接点増やしたいだけだから!」
・・その理由でも安易には受けかねるんだよ。
「あの子も初の主役で大変だから、それは無理だね。」
「やっぱり、かたいな〜ま、敦賀君が受けるとは思ってなかったけど。」
ぱくぱくと貴島は弁当をかき込んでいく。
「やっぱり直接京子ちゃんに言うか。」
「えっ。」
「一応、仁義通したからね?」
貴島が、お茶を一口含んだあと、蓮を見た。
蓮は無表情に見返してしまう。
・・釘さされてるから、直接交渉しなかったんだけど?
貴島の言っているのは、そういうことで。

「難攻不落な感じだよね、あの子たち。」

「貴島くんはそういうの、面倒くさいんじゃないの?」
「いや、そうでもないよ。」
蓮はまた固まってしまう。
貴島はあきらかに、その恋バナを休憩時間の肴にするつもりで、蓮の横に座ったらしかった。
「ああいう子が、ちょっと頬染めてくれたりしたらさ、嬉しいじゃん。」
すっかり箸が止まってしまった蓮を気にすること無く、貴島は食べては話す。
「あれ、敦賀君は違うんだ?」
「いや、まあ、そうだね。」
にこにこと笑顔を作る。
「なんだかなぁ。事務所の後輩にちょっかい出さないでくれって感じ?」
「それはそうだよ。」
貴島が苦笑する。
「ほんと、敦賀君真面目なんだ。」
「まあね。彼女達まだ10代だし。。」
蓮はやっと自分のペースを見つけたように、箸を動かした。
「ふうん。だから、声聞くだけでいいんだ?」

「やけに、しつこいね。」
蓮が少し眉をひそめてみせる。
「ああ、ごめん、ごめん。なんかさ、敦賀君が攻めあぐねてるのもわかるような気がしちゃったっていうか。」
貴島はこれでこの話はやめようというポーズをとる。

はぁ。
貴島が去った後、蓮は手元の弁当を見つめた。
撮影が始まって、キョーコと一緒の休憩は少ない。
すれ違う「紅緒」と「伊集院」なので、キョーコの撮影中に蓮は休憩で、蓮の撮影中にキョーコは休憩。
今朝も挨拶を交わしたぐらい。ただ、その時に渡された弁当。
「気になったんですが、お昼、いつも食べてませんよね?」
どこで見ているのか、社のご注進なのか、むすっとしたキョーコに詰め寄られて、蓮はたじろいだ。
気にかけてくれているのは嬉しいのに、食事のことばかりなのは、どうなのか。
「あの、余計なことだと思ったんですが、よろしかったらどうぞ。」
白いビニール袋に使い捨て容器のお弁当。
「目立たないようにはしましたので。」
「ちゃんと、食べて下さいね。」
ぐいっと差し出されたそれ。
「ありがとう。」
なんであれ、嬉しいには変わりない。
彼女に言われれば、食べようとも思うし、彼女が作ってくれたものだから、食べれる。

・・・琴南さん達と食べるためだったんだ。

それに、酷くがっかりしてしまった。
しかも、貴島がお願いなどすれば、きっと彼女のことだ、作るに決まってる。
もやもやと腹立たしくもなった。
気軽に話しかける貴島を想像して、またイライラとする。
同じ様に「作ってほしい。」とも言えないから、、、尚更だ。
大変だってわかってるから、、とかではない。
断られないまでも、困った顔をされたくない。
いや、義理堅い彼女が断るなんてことはないから、、

・・・義務感なのが、嫌なんだ。

まだ、弁当は半分ほど残っていた。
美味しい筈のそれが、気持ち一つで味気ない。
残したくもない。
苦しかった。




*****
キョーコちゃんが古賀と絡みのシーンが続くので、社さんはキョーコちゃんガードのため蓮さんを放っております。
考えすぎる2人は、弁当で一喜一憂。
キョーコちゃんはモー子さん達のついでという口実が欲しいわけで。
まあ、じりじりと撮影は進んでいきます。






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重くなってきましたね〜

こんばんわ。moka様の書く貴島さん、いいですね〜。蓮様よりもスッキリ、ストレートな感じですね。さらに、ちょっと曲のありそうな馬の骨さん=古賀さん、活躍して欲しいです。ローリーじゃありませんけど、やきもきするほど恋愛の萌え度が上がりますから。長いのも、ずっと『お楽しみ』が続く感じでワクワクします。まだ、序盤なのかもしれませんがずっと拝読させていただきますので宜しくお願いします。ありがとうございました。

Re: 重くなってきましたね〜

> Genki様
コメントありがとうございます。
貴島さん、スッキリストレートといって頂けて凄く嬉しいです。鬼島さながら蓮にそれなりに物申すキャラかなと。
古賀さん、、萌え度上がるよう頑張って頂きたいです。

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