恋セヨ、乙女! 其の七

入ればあっという間に撮影です、
ていうか、其の六であれだけ煽っておいて、場面転換。
今回もごめんなさいの状況説明回。
次回は甘いですからっっ。





撮影初日。
衣装合わせを済ませたメインキャストが、スタジオに揃いはじめる。
「さすがにあんなロン毛はないからね。」
古賀が蓮と貴島の前で、苦笑する。「青江」は原作なら長髪でその美貌を隠しているのだが、その設定ではいかないらしい。ただ、くせ毛で、セミロングぐらいの長さはある。そして、髪で顔を隠すのは変わらない。
「文士っぽくね。」
時代考証を大真面目に演じるものではないが、新開もスタッフと悩んだ落としどころなのだろう。少女漫画ならではの設定を映画で不自然なくというのはかなり工夫がいる。
しかも、新開はコメディー色よりは「大人な」ものを目指しているといった。
「敦賀君もさ、なんか、敦賀くんじゃない、って感じだなぁ。」
その顔を覆う髪をかきあげて、古賀が蓮にいう。
横で、左眼を特殊メイクで閉じている貴島が頷いた。

明るめのブラウンの髪。
そして。
はしばみ色の瞳。

「それ、カラコン?」
貴島が覗き込む。
「そう。やってみたら、案外いけるんじゃないかって。」
蓮が苦笑している。原作の設定で、軍人なのに大丈夫なのかと疑問を持ったものの、それはそれ。
「白人って感じになっちゃうんだな。」
「まあ、設定がそうだからね。」
にこやかに蓮は答えるが、胸中は複雑だ。「はしばみ色」は本来の瞳の色に近い、ヘーゼル。鏡に映る顔が久遠に近くなる。ミス.ウッズがヘアメイクに入ってくれたのは、その事への配慮もある。
「そういや、ラリサは結局誰がやんの?」
古賀が蓮に尋ねる。
出番は少ないが、重要な役。それなのに、顔合わせには来ていないし、名前も公表されていない。
蓮との絡みがあるから、知らされてもいいようなものが。
「さあ、撮影の予定も後半ですし。」

「おはようございます。」
よく響く声がして、キョーコ達ラブミー部の面々がスタジオに入ってきた。
キョーコは黒髪ストレートのボブにリボンの多いレトロなワンピース。奏江はくるくると巻いたロングヘアーにタイトなツーピース。千織は着物姿。
「おはよう。」
貴島が三人に寄っていって声をかける。
「あいつはまめだよなぁ。」
古賀が貴島の後ろ姿に軽い笑いをこぼす。
「そうですね。」
蓮は当たり障りなくかえす。
三人を捕まえた貴島が、自分の特殊メイクに話題を振りながら、なんとか三人と和もうとしているのが見える。今回、貴島のターゲットは絡みも多い奏江だというのは、顔合わせの時から明白だった。
・・・本気なのかどうか。
プレイボーイというそれを楽しんでいるかのような貴島は、面倒は軽く避けて通る。
・・・それよりも。
「あの子に恋心かぁ。」
古賀がキョーコの後ろ姿に呟く。
蓮は答えない。
あの意味ありげな、古賀の笑い。
・・良くない噂。


「アカトキもなんていうか、その辺はおおらかなのか、なんだかね。」
社がため息まじりに言う。
「ウチも恋愛に関しては、推進派だから、同じ様に思われるのかもしれないけど、心外だよ。」
「蓮もラブミー部は気にかけてあげてくれないか。」
俳優部で松島主任が大真面目に言ったのを蓮は思い出す。
「いままでに、琴南君は被害にあいかけたみたいだし、あの外見と雰囲気だから本気にも思えるし。」
「被害?」
「パワハラまがいで、10代の子を狙うらしいんだ。」
「え。」
蓮の表情が青ざめる。
「恩着せがましいっていうか、粘着質っていうか。」
松島主任が苦い表情になる。
「琴南くんによれば、ねちこい、らしい。」
「それを、どうやってかばったら、、」
社がアワアワといった感じで言葉をくりだす。
「接触をできるだけ減らすようにってことかな。」
「減らすって、、最上さん、ヒロインですよ?」
蓮の殺気立った雰囲気に、松島も社も黙り込む。
「なんでそんな奴が。」
「立件してないから、共演した子たちの間で噂になって広がってるだけなんだ。」
「黙っていそうな子を狙うみたいだしね。」

蓮には理解できない。
それこそ充分にもてるであろう古賀が、犯罪まがいのマネをするのか。
そして、何故そんな男と共演するようなことになったのか。
「実態はわからないから、放置なんだよ。琴南さんだって、今回共演だって知って凄い顔したから、たしなめた結果、話してくれたんだから。」
松島がため息をついた。
「自分に気があるのかも?なんて思わないから、うまく立ち回れたみたいだけどね。」
芸能界。
一芸に秀でていれば他のことは目をつぶるようなところがあるのは、知っている。それでも、、
「れーん、まだ被害にあうと決まったわけじゃない。あの子達のガードは俳優部から助っ人でるし、俺も見るからさ。」
社が、強張った蓮の肩にポンと手をおく。
そう、古賀だけではない。
この先、彼女を巡る環境は「馬の骨」なんてかわいいものではなくなってくるんだ。
・・・どうすれば、守りきれるんだろう。

ニコニコと笑うキョーコの笑顔が、蓮の胸に迫る。
自分を作るんだと目を輝かせる彼女の、その邪魔はさせない。



*****
なんだか、はいからさんからはずれてきました。
古賀氏、、、、。




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