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シンクロ 5

なんやかんやで連続更新中



*モー子さんと千織*


「も、モー子さん??」
キョーコは、いきなり涙を落とした奏江に動揺した。
一緒に来た千織も流石に驚いた顔になる。しかも2人はラブミー部のドピンクツナギで来たから、奏江には寄るな触るな言われる覚悟の上で。
「あんたたち、その格好でなにしに来たのよ?」
涙を落とした奏江ではあったが、その口ぶりはいつも通り。
「社長命令です。」
千織が淡々とかえす。
「モー子さんの付き人なの!」
キョーコがにこにこと笑う。

久遠として現場をウロウロしていても、気になるのは親友で。
立ち入るのはどうかとも思いながら、一人でぼんやりしている姿につい絡んでしまう。
あんまり接触すれば、奏江が気付くだろうと思いながらも、だ。

「どうだ?」
ローリィーからは今回まめに連絡が入る。
「あの、、琴南さんが元気ないんです。」
キョーコはそれを社長に告げていいのかどうかと思いつつ、口にしてしまった。
まるで、映画のプレッシャーにモー子さんが負けてるみたいじゃない!
「・・・・・。」
返答のないローリィが何を考えたのか、キョーコには想像がつかない。
「す、すみません。それ以外変化はないです。」
「わかった。」
そして、数日の後、ラブミー部の2人に指令がでた。

「久遠」は毎日蓮に同行できているわけではない。
キョーコの仕事も学校もある。地毛は切って染めているから、キョーコに戻るときはミューズが用意してくれたウィッグになる。しかも、蓮のマンションからその姿では出れないので、「久遠」の姿でLMEに行く。
「まぁ、面識はあることにしとくか。」
ローリィと作り込む「久遠」の設定。
キョーコと「久遠」2人が同時に現れないこと、そこからバレてしまっては元も子もない。
だから、キョーコは最低限でしか現れない。
「社長の極秘ミッション。」
実際その通りなので、嘘ではない。そこが真実味を帯びさせる。

「なに、またなの?」
奏江も千織も、キョーコが今何をしているのかという回答に呆れたような声をあげる。
数ヶ月、「雪花・ヒール」だったのも、2人にはいえない、社長の極秘ミッションだった。
「人を迎えに行くだけじゃなかったですもんね。」
千織がいう。
うっ
キョーコは言葉に詰まる。
先生の来日、カイン・ヒールの出迎え、今回は、、ロイド氏。
重なりすぎだと、社長に何か意図を感じずにはいられない。
料理と英語。
その共通点を勘のいい2人に気付かれたら終わりだ。
「そうそう、極秘ミッションで話せないって、あの時もいってたわ。」
おちた涙がさっぱり隠れた奏江が眉をひそめた。

「そう、ミッションで思い出した!アンタ、久遠を知ってる?」
へ?
キョーコは咄嗟にそう返す。
「敦賀さんの噂の相手。」
けろりと千織が言葉を挟む。
「噂の相手?」
「あれ?京子さん知らないんですか?」
千織がスマホを取り出した。そして、画面をキョーコに見せる。
にこやかに笑う蓮が久遠を抱きかかえるようにしているその写真。
その写真につけられた題目。
『敦賀蓮の恋人?』
キョーコは真っ青になった。

「やだ、そんなにショック?」
「な、な、なっなんで、、恋人?」
千織がスマホをひっこめる。
「まあ、噂ってそういうものですけど。」
「そうね。だけど、敦賀さん実際、片時も離したくないみたいな雰囲気なのよね。」
奏江がふうとため息をつく。
「ああ、それじゃ仕方ないですね。」
淡々と返すのは千織。
キョーコは真っ青なまま固まっている。
・・どっどうしよう!

「京子さん?」
「はい?」
奏江は撮影に入って、千織とキョーコはそれを見ている。
「琴南さん、大丈夫そうですね。」
病棟内でさばさばと動く奏江はすっかり役の中の人。
「うん。」
キョーコには奏江が涙を落とした理由が、なんとなくわかる。
・・涙には動揺しちゃうけど。
続く緊張がちょっと弛んだのだろう。
敦賀さんと演技をし続ける、緊張。
こみ上げてしまう、悔しさ。
端から見ていても、何かに取り憑かれたような姿に背筋が凍る。
・・・そういう役だと知っていても。

キョーコの視線はいつしか奏江から蓮に移る。

生真面目にメニューをこなしていくから、微笑みがないと陰が色濃くなる。
・・カイン兄さんの時のような事はないんだけど。
「久遠」に示す優しさは、セツに対するものともキョーコに対するものとも違う。
・・片時も離したくないような
奏江の表現は、あってるとキョーコも思う。
その居心地がよくて、キョーコは気にしていなかった。セツの時のような、「男女」を思う必要がなかったから。
「久遠」になってしまえば、気のいいクライアントで「兄貴分」そんな風に感じていられる。

・・怖いな。

「気にし過ぎもよくないんですよ?」
千織がぼそっと言った。
「え?」
「噂。知らないと気付いたときには大変にもなるんですけど、萎縮したら負けです。」
・・あ、天宮さんは。
「京子さんが、敦賀さんを好きなら、それはそれですよ?」
「好き?」
ないないと手をばたばたと振ったキョーコに、千織は「そうですか?」とさらりと流した。
「この映画、何にしても反響大きそうですよね。」
「うん。」

・・・すごく生きたがってる男なんだよ。
・・・生きてくってことに、こんなにしがみつけるのは、、死が隣り合わせだからなのかな。
・・・蓮?
・・・生きるってなんだろうね。






*****
ちょこっとシリアスが顔を出しました。




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