name 〜sweet street4

「うん、美味しいーっ」
カスクートを頬張って食べている彼女に、眼が釘付け。
左手にカスクート、右手に紅茶の入ったカップでご機嫌だ。
ここのところの撮影はすっかり大人びた感じになってきてるし、役者としては凹まされもしてるけど、素の彼女はやっぱり可愛い。しかも、このご機嫌ぶりは予想外で、嬉しい。
「敦賀さんのは、アボガドソースでしたっけ?どうですか?」
ご機嫌ニコニコのその笑顔に、パンが喉に詰まるかと。
「美味しいよ、食べてみる?」
何気無く言ってしまって、しまった、ドン引きされるっ!と思ったら。
「一口、いいですか?あ、こっちのハム美味しいですよ。ドーゾ」
呆気に取られているうちに、食べかけのカスクートが交換された。
彼女の歯型がなんとなしに恨めしい。、、、、パンに嫉妬してどうする。
そんな気も知らず、彼女は俺の食べかけのパンを嬉しそうに齧ってるし。
「、ほんとだ、ハムがいいね。今度はハムの方にしようかな。」
動揺を悟られたくなくて。
「じゃ、そのままドウゾ」
にっこり微笑んで、くるっと前に向き直る。
ゴクン、と生唾を飲み込んだのを隠そうと、紅茶に口をつけようとしたら、眼鏡が曇った。
足を止めたので、彼女が振り返り、プッと笑った。いや正確には吹き出した声だけ聞こえた。
右手に持っていたパンを左手でカップと一緒に持って、眼鏡を外す。
ほんのり頬を染めた彼女のなんともいえない笑顔が、くっきり見えた。
「……」
歩き出してまだ30分も経ってないのに、心臓がもう持たないような。

《クオンは意外とオッチョコチョイなのね?》
《それはヒドイよ、キョーコ》
彼女が何気無くフランス語で言うから、、、
《オッチョコチョイって言い回し、誰にきいたの?》
《ナイショ》
ふわふわ、フワフワ。
うっかり名前を呼ばれて、舞い上がる。
《クオン、見て見て!天使!!》
ショップのウインドにはクリスマスツリーのオーナメントがいろいろと飾られている。
そっか、こっちに来ている間にクリスマスかぁ。
、、、、、かぁ、じゃない。
社さんにスケジュール確認してもらうんだった!
まさか、グレイトフル.パーティのために帰国したりしないよね?
《クオンはクリスマスどうするの?》
《君は?》
《マリアがパパとこちらに来てくれることになったので、パーティです。》
《、、そうなんだ、賑やかになるんだね。》
ニコニコと笑う彼女。
《そのパーティに、俺も参加できるかな?》
大きな眼が見開かれて、彼女の顔は真っ赤。
《日本に帰っちゃうんだと思ってた》
《それは無いよ。君がこっちにいるのに。》
《凄く嬉しい》
え。
フランス語だと遠慮のカタマリではなくなるんだな。わからないでもないけど。
『キョーコはフランス語だと素直になるんだね、嬉しいけど』
と英語で言ってみる。
『素直?いつもそうだと思いますが。』
キラッと彼女の負けず嫌いに火がついたのを悟った。これじゃ、語学対決になりそうな気がする。ま、いいか。名前を呼んでくれるなら。あえてフランス語を使ってまで、クオンと呼んでくれた理由を知りたいけど、恐縮して呼ばれなくなりそうだから、やめておこう。

もっと、呼んでくれるかな。
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