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おひとりで。雪

さて、今晩のお客様は。




カラン

少し鈍く低いドアベルの音。

ギイと内側に開かれる一枚板の重厚なドア。

ドアの前でコートの雪を払う男。

「いらっしゃいませ、どうぞ」
「ありがとう、いいかな。」

人懐こい笑みをウェイターに向けて、貴島は店内に踏み入れる。
「コート、お預かりします。」
「助かるよ。」
ウェイターも貴島につられたように笑みを浮かべた。
雪がまだついたコートを預け、慣れたようにカウンターに座る。

「随分降っているようですね。」
マスターが湯気のたつカップを貴島の前に置く。
シナモンとワインの薫り。マルド・ワイン。
貴島はカップを両手で包んで、少しかじかんでいた手に温みを取り戻す。
「思ってたより酷い降りですよ。」
甘くて温かいワインを口にする。
、、前回来た時もそういえば、雪が降ってたんだったな。

雪をやり過ごそうというのか、店内は埋まっている。
ただ、店内に流れる静かなJazzがそれなりに愉しめるぐらいだから、話し声も殆ど無い。
連れがいるという客が殆どいないせいだ。

コトンと置かれた小皿に小さなチョコトリュフ。
「参ったなぁ。彼女来てたんですか?」
マスターは微笑むだけ。

ここは男の城みたいなもの。
独りで飲むのが粋。

隣で、彼女が美味しそうにグラスを傾ける姿も、色っぽくて大好きだけどね。

「いいお店。」
「まあね。」
「、、ここで飲んでるなら、、私も安心。」
「ありがとう。」
彼女のちょっとはにかむ表情に、なんだか感謝したくて。
「やあね。」

今晩からロケなの。
バレンタインも向こうだから、、

寂しいけど、待ってるよ。

やあね、あなたが寂しいなんて可笑しいわ。

寂しがりや、だよ?

、、知ってる。


貴島はそっと両手を合わせて、いただきます、とつぶやいてチョコを頬張った。

粋がるのも、こうなるとさみしいなぁ。





*****
なんか、メッセージ残されてばっかり。こちらのバー。
おひとりなんで、なんかこういう展開。

さて。



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いい意味でのすれ違いが生まれるバー。

ちょっとしたサプライズの共犯者になってくれる寡黙なマスター。

スマートにそれを行ってくれるところが素敵です。

Re: いい意味でのすれ違いが生まれるバー。

魔人sei様

寡黙なマスター、、
顔のイメージが実は無くってですね、、
某銀河鉄道の車掌さん、ってな感じです。、、なんていうか。

ちなみに、次のゲストは社さん。(ここで予告してしまう。)
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