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その名前を呼ばないで・19

魔人様のリク罠を読んで広がった妄想ワールド。

いままでのお話はこちらから。
1・2・3・4・5・6・7・8・9・10・11・12・13・14・15・16・17・18


「おはよう。」
「おはよ。」
キョーコは学校で顔を合わせた樋口に、思い切って尋ねた。
「昨日、、公園まで追ってきたよね?」
樋口の顔は瞬間に固まる。
「・・・ごめん。」
べこんと頭を下げた。
人の逢瀬に割り込もうとした自分が恥ずかしい。そんな思い。
「やっぱり。」
キョーコはつぶやきをもらした。
「え?」
樋口は予想していた展開ではないことに、驚いて顔をあげる。
「え?」
キョーコの苦虫を潰した顔に樋口は戸惑う。
「やっぱり嘘だったんだ。」
「えええ?何?さっぱりわかんないよ、キョーコ、何?」
「ああ、ごめん、いいの。大丈夫。」
キョーコはすたすたと自分の席につく。

トワさんのあの写真に写っていたのは「コーン」
「コーン」が「久遠・ヒズリ」なのは間違いがない。
あとは行方不明というその「久遠・ヒズリ」が、敦賀さんなのかということ。
昨日の公園の出来事が、事実なら、
敦賀さんは「久遠・ヒズリ」なんだ。

でも、どうして、私に?
樋口君を「久遠」と呼んだから?

ぐちゃぐちゃだ。

翡翠の瞳の色に吸い込まれたみたいに。
キス
ビックリしてしまったけど、、嬉しかった。
でも、無かったことにしようとしたのは、敦賀さんで。
優しい顔で、
お土産って。


「最上君、昼休みに校長室にくるように。」
いつのまにか始まっていた朝礼の最後に、担任教諭からいきなり名前を呼ばれて、キョーコは我に返る。
「は、はい。」

「キョーコ、大丈夫?」
樋口がキョーコの席の横にたった。
「う、うん。」
「いやさ、うちの姉さん達が何か云った?」
「え?何かって?」
キョーコがへっという表情で見上げてきたので、樋口は苦笑した。
「いや、なんか今朝から変だから、、昨日姉さん達が何かやったのかなって。」
「ああ、違うの、ちょっと、、考えごと。」

「・・・敦賀、先輩のこと?」

「ふへっ?」
キョーコは真っ赤になる。
「・・・図星なんだ。顔真っ赤だし。」
樋口が困った顔になる。
「俺、キョーコの事好き。先輩が好きでもさ、好きだからっ。」
「く、久遠?」
キョーコは頬をそめる。・・「好き」って、言えるんだ。
「あ、ありがと。名前、嬉しいや。、、あの時、呼ぶなって言われてたのに。」
樋口の顔は困った顔のままで。
「う、うん。」
キョーコは、樋口の言葉で蓮の囁きが現実だったのだと、また思い知る。
なぜ、うやむやにしたんだろう?
私が、、ビックリしすぎたから?
「だからさ、なんかあったら頼ってよ。」
「うん。」
「いつか、振り向かせてやるから。」
「ありがとう。・・勇気、でるね。」
キョーコは樋口を見て、微笑んだ。
やっぱり、違う。嬉しいけれど、違うんだ。
でも、「好き」と言われることは、、、迷惑、じゃない。
害悪にしか、ならないわけじゃ、ない。
・・・・ダメ息つかれても。
・・・だって、天使はハートを抱えてた。
・・好きって気持ちを持てたことを、ありがとうございますって。


「失礼します。」
昼休みに向かった先の校長室。
大きな机の向こう側で、微笑む紳士。
「最上君、おめでとう。」
差し出された書類。
「宝田には連絡がいっているから。頑張りたまえよ。」
「ありがとうございます。」
キョーコは深く丁寧なお辞儀をして、学校長からその書類を受け取った。
進んでいく道。
自分で作っていく未来。

校長室をでてすぐに、キョーコは携帯を手にした。

「最上です。お話したいことがあるので、お時間をいただけないでしょうか?」


蓮がその着信に気づいたのは、撮影の合間。ロケの間こなせなかった雑誌の取材。
「社さん、今日って、最後何時でしたっけ?」
「なんだ、珍しい。22時には上がれるはずだけど?」
社の返事に、蓮は少し思案顔になる。
携帯のチェックをしていた蓮を見ていた社は、にやりと笑う。
「早く帰りたいとか?」
「そうですね、できれば。」
社は手帳をみて苦笑する。
「今日はあと二社の取材と打ち合わせだから。」
頭に入っていたスケジュールと間違いがないと確認して、蓮は自分次第かな、と視線を上に向けてから社に返事をした。
「わかりました。ありがとうございます。」

時計をみて、まだ高校は昼休みかと、蓮は携帯を手にする。
コールは3回。
「はい、最上です。」
きちっとしたそれでも楽しそうな声に、蓮はほっとする。
「電話ありがとう。それで、今晩少し遅いけど、君がよければ。」
「あのぅ、私、今日は22時あがりなんですが、よろしいですか?」
最上さんのこういう連絡は、、演技指導とか、そう思ったほうがいいよな。

「それなら良かった、俺もその時間なんだ。同じ局だから。」
「あ、そうなんですね。では、控室にお伺いします。」
ああ、やっぱり。あのドライブの事、都合良く解釈してるね。
それでも、君に会えるなら。

「いや、打ち合わせだから、、君の控室でいいかな?」
「はい、わかりました。すみません。」
「いいよ、それじゃね。」

蓮は微笑みながら携帯を閉じ、
キョーコもまた微笑んで、携帯を胸に抱いた。



******
樋口君はいい子。
だから、蓮様には苦いライバルです。と思います。


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キョウコちゃんは、ひょっとして……

追いかける覚悟をしていてくれたのでしょうか。進路がアメリカ留学だったら、小躍りしてしまいます。
もうすぐ、完結ですね。お誕生日なんだもの、甘~い結末期待してしまいます。

蓮さん暢気ですね。

嘘をつき続ければ現状維持ができると思っているからでしょうか。

真実に気付いたキョコさん。

自分で選んで進む道が二人の関係にどう関係していくのか楽しみです!

(樋口くん、いい子だ!)

Re: タイトルなし

みかん様

明日正午には、、甘い結末になります〜(当社比150%)
そのために、砂糖をかなり大量投下の今回です。
御期待に添えておりますように!

Re: 蓮さん暢気ですね。

魔人sei様

> 嘘をつき続ければ現状維持ができると思っているからでしょうか。
まさに、その通りかと。
自分にも嘘をつく紳士ですから。

樋口君はほんとにいい子です。このご一家のお話は掘り下げたのに、出番を削ってしまったので、、ちょっと名残惜しいです。
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場内整備を勉強しておりますが、不行き届きがあって申し訳ありません。何かのご連絡等は<読者様相談窓口>にコメントをお願いいたします。よろしくお願いいたします。
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