その名前で呼ばないで・15

魔人様のリク罠を読んで広がった妄想ワールド。

いままでのお話はこちらから。
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「疲れているのに、ごめんね。」
運転席から覗く敦賀さんはいつも通りの優しい顔。
「え、いえっ、私、寝ちゃうなんてっ。すみません!」
周囲の景色は、、テレビ局の地下駐車場?
「撮影17時にはいれば大丈夫なんだよね?あと20分はあるから。」
蓮に微笑まれて、キョーコはわたわたと鞄を手にする。
「ああそうだ、結局走りっぱなしだったから、これ。」
蓮は後部座席に手を伸ばす。

・・・走りっぱなし?

キョーコはぎゅっと目をつぶって、軽く頭を振る。
あれは夢?
そろりとキョーコは蓮の目を見つめる。
黒い瞳。
・・・聞けない。
唇に口に残る感触は何?
・・・それも聞けない、だって!!
「その名前を呼ばないで。」
・・・そうよ、敦賀さんがそんなこと言う理由がないわ、キョーコ!

頬を少し染めつつ、何か考えているキョーコに、蓮は声をかける。
「はい。お土産。」

小さな箱。
「ありがとうございます!」
「開けてみて。」
キョーコは包みをほぐした。

ハートを抱えた天使のペンダント。

「可愛い。」
キョーコは思わず微笑む。
「幸運を呼ぶって聞いたから、思わず、ね。」
「わぁ、ありがとうございます!」
「うん、じゃ、撮影頑張っておいで。」
「はいっっ!」
車から降りて、キョーコはぺこりと頭を下げた。
「俺がいうのも変だけど、、休める時はちゃんと休まないとね。」
「す、すいません。せっかくのお時間を寝てしまうなんて!」
キョーコが顔を赤くして手を振る。
「少しは心配させて?」
「え?」
「いや、、、遅れるといけないよ。」
「は、はいっ!」
ぺこりとお辞儀をしてキョーコが去っていく。
蓮はその姿を見送って、おもむろに車を降りた。
キョーコを見送る他の視線に気づいていた。


「樋口君、だね?」

その声に向かい側の車のほうから、樋口は蓮に頭を下げた。
「樋口久遠です。敦賀先輩。」
「ここで油を売っている時間じゃないだろう?」
「いえ、ご挨拶できていなかったので。」
蓮を見る意志の強い顔。
「ああ、そうだね。」
蓮は温厚紳士の顔で、一歩を踏み出す。
「今後ともよろしくお願いします。」
ぺこんと樋口はもう一度、頭を下げた。


蓮はその姿も見送って、運転席に落ちた。
・・・あれは俺だけの記憶でいい。
あの子を混乱させたい訳じゃないんだから。
それでも、あの子の心にほんの少しでも・・
ほんの少しでも残るものがあれば、、それでいい。

ふれた唇、
追いかけてきた「久遠」がいなかったら、
あんなキスをするつもりじゃ、なかったのに。
夢だと、ごまかすようなことも、、、なかったのに。
蓮はふうっと深いため息をついた。






******
蓮様???
前話の独白にありましたように、嘘をつき続けるおつもりです。
目撃されたのに?
キョーコちゃんも騙される??

とんでもないハピエンは用意できましたから、
このとんでもなく屈折しちゃった蓮さんにしばしおつきあい下さい。
樋口姉さんズや樋口君がこのままではいませんしね。
そして、、蓮誕には最終回になる筈!!と、、、

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