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黒い瞳 24

〜階段〜


「おはようございます。」
京子と久遠はスタジオの入口で佐野と合流した。
「アカトキにも承諾を得て、交際解消についてFAX流しました。」
「敦賀さんとのことはまだ公表してません。それはそちらのご都合もあるでしょうし。」
ちらりと久遠を見上げた佐野。
「俺は、こちら側は躊躇する問題ではないですが、「京子」さんを尊重します。」
久遠も佐野を見て、うなずいた。
昨日のキョーコの大泣きを見て、佐野がマネージャーとして舵をきったのを、久遠は感謝している。それまでの彼女の視線はずっと疑っていたから。
「今晩は対応におつきあいいただきたいです。社も来るそうですので。」
キョーコが難しい顔になる。
「いろいろ、ありがとうございます。」
・・・昔なら、すいませんって小さくなってたけど。
久遠はちょっと寂しいような、成長が誇らしいような気持ちに苦笑する。


「よお〜、いい夜をすごせたか?」
セズがニヤニヤと後ろからやってきた。
「たまには俺を混ぜるってのは、どおよ?」
「ないな。絶対にあり得ない。」
セズが久遠の肩に手をかけて、にたーっと笑う。
「食事ぐらい、いいじゃねーか。」
久遠が、しまったという顔になり、セズがけけっと笑う。
「久遠は何想像したんだろうなぁ?京子。」
キョーコはきょとんとしたまま、セズの問いかけに首を傾げる。
「食事、行きたいですね。」
「お、じゃ、俺のとっておきの店にご招待するよ。」
「とっておきですか?」
キョーコがきらきらと瞳を輝かせて、
そして、一瞬だけ視線を下に落として、笑顔に戻したのに、久遠は気づいた。


「ねえ。森になんか行かないで!」
「うるさい!」
少女を振り切ってしまう男。
「何が、あるというの?」
去っていく男の背をただ見つめて、少女は男に背をむけた。


「京子は次は何を演じるの?」
セズが何気なく聞いてきた。
「次?」
「この映画の次、決まってるんだろ?」
それはもう当然のことのように、セズは自然にたずねる。
「日本でお姫様の役です。」
「へえ、日本か。こっちでは?」
キョーコは苦笑する。
「全く、、日本に戻るつもりだったので。」
「なんで?」
セズが目を丸くする。
「なんでって、、このお話自体がチャンスで。」
「掴んだんだからさ、貪欲になりなよ。病み付きになるって。」
キョーコも目を丸くする。
「病み付き?」
「世界を相手にする快感が、ここにはあるから!」
セズは楽しそうだ。
・・世界を相手にする、、か。
キョーコの頭に浮かび上がるヒズリ夫妻の写真。
それは、あまりに眩しくて、、別世界。

カメラの前に立つ久遠の姿。

生まれたときから、あの煌びやかな世界にいた人。
ちくり。
時々、感じていた不可思議な感覚。
そのスケールの違いに尊敬を持っていたけれど。
・・・おいていかないで。
キョーコは首を振る。
・・追いかけ続けるんだもの。
・・・おいで、って微笑んでくれるもの。
・・もう離れるなんて考えたくはない。だけど。


「キョーコちゃんが決めていいんだ。」







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まだまだ

幸せに向かってスキップ!とはいかないようですね。
でも、ちゃんと悩んで進まないと、後ろに大穴なんてこともあるかもですし。

この葛藤も、人間として、女優としての糧になりますように!

Re: まだまだ

基本後ろ向きな二人ですから、、、
ていうか、幸せに憧れすぎてるというか、、
一筋縄では進まないようです。
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場内整備を勉強しておりますが、不行き届きがあって申し訳ありません。何かのご連絡等は<読者様相談窓口>にコメントをお願いいたします。よろしくお願いいたします。
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