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黒い瞳 19

〜襲撃〜



カメラがまわり始める。
秒刻みと思わせるほどの緊張感。
ライリーは絵コンテで練り上げた画を確認するように撮影を進める。
カメラアングル、ライト、顔の向き、体勢。


先に撮っていくのは、平穏な村の暮らし。
だんだんと森へ執着していく男を順に追う撮影。
明るい恋人たちが、徐々にすれ違い始める。
嘆く少女、慰める男の友人。


「蓮は横恋慕したことがあるんだな。」
セズが突然言った。
「え?」
「望めばみんな手に入るような感じだからさ。意外。」
「そんな風に見えるんだな、相変わらず、、。」
蓮の投げやりな返答に、セズが苦笑した。
「言い方が悪かったか?なんての、全部真っ正面から突破しそうっていうの。」
「真正面?」
「なんかちがうか、、自分の友人の女を女として見ないって感じだから、横恋慕はしない、、か。」
セズが自分で納得したという顔になる。
「なんでそんなこと。」
「俺はしょっちゅう横恋慕なわけだ。だから友人に疎まれる感覚はよく知ってる。蓮のベータは俺に近い。」

横恋慕。
最初キョーコに抱いていたのはそれに近いかもしれない。
「ショーちゃんは王子様。」
いつでも不破が先に掠めてく。
「ライブ、行かないことになりました。」
撮影の前倒しで、組み直されたスケジュール。
「なので、、一度ホテルに戻ります。」
ライブの翌日にたぶん余計な記者達が来る。
不破尚の全米デビューという華々しい取材、そこに駆けつけるであろう恋人が、不在なら。
「こんなことでご迷惑をかけてしまうのは嫌なんです。」
「迷惑なんかじゃ、ないよ。」
キョーコが首を振る。
「、、、立場が違うんです。」
「え?」
キョーコの視線がタブロイドの上におちる。
両親の写真。


キョーコが外にたっていた。
片手を空にかざして見ている。
あれは、、アイオライト。
彼女の哀しみを拭う石。
「でも、大丈夫よね。」
ちいさなつぶやき。
・・・まだ魔法の御守りなんだ。
コーンがまだキョーコを支えていること。

2人ともお互いを求めていることに違いはなくて。

日本にいた時のような、想いに気づけなかったのとは違う。
一緒に歩いていく、道筋が見えていない。

それが怖い。

「好きだ」と言えれば手に入ると思っていた、「幸せ」


ー何と私はお前を愛していることか、何とお前を恐れていることかー


蓮のマネージャーやスタッフは、キョーコとの関係を良しとしていた。
、、日本のミュージシャンから奪ったぐらいで丁度いい。
キョーコが思うような迷惑にはならない。
おそらく、社も佐野もこの関係が発覚しても困ることはないと判断している筈だった。
「理由」にしているのは、キョーコ自身。


知ってもらうべきなのか?
あの両親を愛していても、そのために苦しんだことを。
そんな苦しみを味わせるつもりなど、ないことを。
そこに不安を覚えているなら、、どうしたらいい?


カツ、カツと前に立ちふさがった影。
「撮影は順調らしいね。ヒロインは君のペットらしいし?」
次の映画の打ち合わせ帰り。少し歩こうと思ったのが失敗。
まさか、会うとは思わなかった。
きっちりと着込んだ、如何にもなオーダーメイドのスーツ、尖って光る革靴。
「相変わらずのお顔だなぁ、日本人とヤるのは、その血か?」
・・幸せを、望んではいけなかったのか?
「その不快にさせるしかできない奇形生物と、俺は言ったよなぁ。」
ビシッと鳴る棒。
背後から忍び寄る気配。

、、、どうしたら、良かったんだろう?ね、キョーコ。

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