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黒い瞳 16

〜雲間〜



・・・そのアンバランスさは、理想的だよ。
ライリーは机に肘をついて、京子を眺めている。
セズが、なりふり構わず求める姿は狂気すら孕む。
京子の怯えと突き放すような高慢。
支えなければ壊れそうだと差し出す手に、縋るようで、払いのける。瞳は揺れる。
横から割り込む蓮に容赦ない敵意を向けるセズ。
二人の間のピリピリとした空気。
その二人の間をゆらゆらと漂う京子。
柔らかく微笑み、そして艶然と問う。
〜私の何が欲しいの?〜


「予定より早いけど、撮影に入りたい。」

ライリーは結局、名前をつけずに脚本を仕上げてきた。アルファ、ベータ、ガンマ。記号。
「セリフに固有名称がいらなかったんだよ。」
監督であり脚本家。
「ただ撮影には困るから、セズはアルファ、蓮はベータ、京子はガンマ。」
スタジオでライリーは、できた脚本を演じさせて、微調整をつづけていた。
コマわり、カットも調整。
入念な準備は進んでいて衣装も出来上がってきている。

二週間が過ぎようとしていた。


「きゃあ、笹さん!京くんもいっしょ!」
解散したばかりのスタジオ入り口。
子供を抱く莉夜の姿。
駆け寄っていくキョーコ。
チラと蓮を見た莉夜の視線は冷ややかだった。
「キョーコちゃん、無理してるんじゃないかって、佐野さんが言うから心配してたのよ?」
「もう、皆さん過保護なんです!」
子供をあやすキョーコの顔。
その姿をみている莉夜は聖母子像のマリアのような微笑み。
「敦賀君、お久しぶり。」
「元気そうで良かった。」
「そうね、あなたは、、ちょっと見違えちゃうわね。」
莉夜の刺すような視線。


「え、じゃ、あの夜以降もキョーコちゃん彼と一緒なの?」
莉夜は佐野に詰め寄った。夕食を一緒にしようと約束してキョーコ達と別れたあと。
「あれからは、仕事に支障をきたすこともないし、わかる範囲の痕も増えてはないわ。」
佐野がふぅうと息を吐く。
「でも、一度きりですむのかしら、そういうのって。」
「大丈夫だって、京子さんが言う限りどうしようもなくて。」
「、、、やっぱり不破君のこと、清算すべきだったわね。」
佐野も莉夜も黙ってしまった。
この映画の話が進んだ時点で、渡米で別れたというありがちなストーリーを申し入れたのだ。
それを拒んだのは、不破だった。
「あいつは騙されてる。」
一方的な別離宣言でもよかった。ただ、大河ドラマの抜擢で下手な騒ぎを起こさせたくないと構えてしまった。
そして、本当に待っているのかわからなかったから。
調べたかぎりゴシップもない。それは希望を持たせてはくれたけれど。

「倖一が、不破君だけはかませたくないっていってたんだけど。」
「何かあったんですか?」
「ただ、不破君に絡まれると人が変わるって。」
「人が変わる?」
「私はそんな彼は知らないの。けど、不破君は当事者だから知っていたのかも。」
「あの日、不破君が訪ねて来たけど、不穏な雰囲気は無かったです。」
それでも、、その晩に何かがあった。
だから、話をしたいと言われたんだろう。
「倖一も合流できるって。」
スマフォを見た莉夜が佐野に告げた。
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