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ー大切な人は作れない、どこにいてもー

この撮影のために、敦賀さんは「敦賀蓮」が外見も含めて役なのだと、教えてくれた。
教えてくれたというか、告白というか、あの場をどう表現してよいのか、まだわからない。
映画が公開されれば、あの容姿にいろんな憶測が飛ぶことは覚悟の表明でもあり。
ただ、全てを知るのはあの夜、宝田邸のあの部屋にいた人たちで。
それだけ、この映画にかけたというのが、キョーコには恐れ多かった。

華粧のCMからめまぐるしい展開にキョーコ自身がついていけてない。
初主演の映画が海外公開前提。それがどういうことなのか、実感が追いつかない。
〜実感なんてねぇ、後からわいてくるから、大丈夫〜
大友監督が柔らかい物腰で微笑む。
そもそも、この監督も不思議なのだ。キョーコには基本柔らかい物腰の紳士だが、妥協を全くしない完璧主義らしく、妥協という気配がただよえば、フリーザーの中に突っ込まれたみたいな冷気を吹き付ける。
だから、監督が敦賀くんと話してからオファーを出すと言ったとき、何が起こるのだろうと緊張した。

大友監督の映画にでるってことでの覚悟よね。
それが後輩が主演の映画なんて、なんてことなんだろう・・。
絶対に呆れられちゃだめ!
呆れられるどころか、期待以上じゃなきゃだめなのよ。


脚本の前に届いた筋書きで、監督が敦賀さんのBJを見たのかなと思った。
あの闇を知っている?
本名も出自も、本来の姿を隠していたのは、多分あの闇のせい。
あの闇について、彼は語らなかったし、大友監督は知りたくないと言った。

久遠の環境から、あの闇は単純には繋がらない。
先生は久遠を溺愛してる。拒絶なんてされてない。・・・ただ、、

「空を飛べない」

ーおよそ普通の子供が持つ感情じゃない、、
「嫌っ!」
キョーコは思い出した声に身を竦ませる。

大きすぎる父親に潰れそうになったのだとしても、あの闇は異質。
あの闇があるから、「敦賀蓮」になったんだということは解っても。

「殺人、鬼。」
誰かが、死んでいる。
きっと、大切な人が。
ひょっとしたら、一人だけではないのかも知れない。

I love you,Kyoko.

あれは、言葉通りの意味じゃない。
私は返す言葉もみつからない、ただの子供だ。





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