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黒い瞳 1

〜女優〜




「久しぶり。」
社が軽く手をあげて蓮をみる。
ライリー監督の打ち合わせの後、キョーコはホテルに戻り、取材を受けるのだと言っていた。
それを待つ間に、「話をしないか?」と。
「相変わらず、食べないんだろう?軽く飲むか?」
社の話し方も相変わらずだなと、蓮はほっとする気持ちになる。
「そうですね、近くにいい店がありますよ。」

「俺も、昼が遅かったから、軽くでいいんだ。」
わりと静かなバー。
カウンターではなくテーブルについた。
「再会を祝して。」
カチンとグラスをあわせる。
蓮はふと社の左手に眼をとめた。薬指の指輪。
「ああ、これ?結婚したんだ。」
蓮の視線に、社が笑う。
「莉夜と。」
ガタン、グラスを置く音。
社は笑ったまま、蓮をみている。

「ふつう驚くよな〜、ま、それをキョーコちゃんの口からは言わせたく無くて、呼び出した訳だし。」
社の口ぶりは昔のままだが、蓮にはそれもキツく聞こえる。
・・・何であれ、半年付き合った女と元のマネージャーが結婚したなんてねぇ・・・
社の表情は穏やかで、刺のあるものではないのに、そんな声が聞こえる気がした。
蓮の固まった表情を前に、想定ズミだったのであろう社は淡々と続ける。
「莉夜もこっちに来てるんだ。ブロードウェイだけどね。」
「そう、なんですか。」
「薄情なもんだな。」
「・・・・・。」
「いっとくけど、偽装結婚じゃないからな。子供もいるんだ。」
「京一って、一歳になる。莉夜似だからいい男になるよ。」
社は財布から写真をだした。
蓮がそれを眺める。
「・・・社さんに、似てますよ。」
社が莉夜と男の子を抱き上げて笑う写真。

「名前は、キョーコちゃんからもらってる。莉夜がどうしても京の字を入れるって。」
蓮は写真をじっとみつめていた。
「、、。」
「・・・知ってたんだろう?」
社は蓮の顔を覗き込む。
「すまん、責めるつもりじゃないんだ。俺が、付き合い始めたのは、キョーコちゃんのサポートをしてたからで、お前の尻拭いじゃないよ。」
社は苦笑する。
ーキョーコちゃんの、莉夜の、辛さ。
「社さん、俺は。」
「手紙を、もらってなかったら、、お前に会おうとは思わなかった、だろうな。」
社はグラスに口をつける。
蓮はまだ写真を見つめていた。

「莉夜が、、白いバラにふさわしくあれ、って。」
白いバラ。
「俺もそう思うよ。莉夜が必死に、手折られないよう育ててきた花なんだから。」
「手折られないように、育てた。」
蓮の低いつぶやき。
「莉夜なりの贖罪。」
社の淡々とした声。

・・・私、京子ちゃんが好きよ。
・・・俺は、許されない想いだと、逃げた。



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まさかに結婚

でも、社さんなら、あの莉夜さんも、自分を演じることなく側にいることができそうですよね。納得。
そして、蓮さんはやっぱり逃げた自覚があるのですねー。ヘタレてた蓮には、京子を渡せないという想いも、莉夜さんにはあったのかも?

Re: まさかに結婚

素敵コメントありがとうございます!
こんなコメント頂けると嬉しくて、筆がすすみます〜
この結婚がミソでもありまして、蓮さんは二人をいつになったら祝福できるのかしらねぇと。
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場内整備を勉強しておりますが、不行き届きがあって申し訳ありません。何かのご連絡等は<読者様相談窓口>にコメントをお願いいたします。よろしくお願いいたします。
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