P←→F

なんじゃ?このタイトルですかね〜
「時には昔の」の十数年前的な感じです。

ちょっと、エピソードをピックアップしただけな
感じかしら。
あとで組み直しするかもです。


・・


『結婚まで秒読み?』
自分とキョーコの写真が表紙になったタブロイド紙。
久遠はそれを乱暴にダストボックスに放り投げた。

ガタン

見事に命中したが、ダストボックスが倒れる。

「なんだ、乱暴だな?」

ちょうどトレーラーに入ってきた社が声をあげた。
倒れたダストボックスに眼をやって、苦笑をもらす。
「キョーコちゃん、無事ついたって。」
社がいつか呼び方を改めるべきかなと言っていたことがあったが、長年しみついたものは消えないらしい。

キョーコも21歳、注目のアジアンキューティーといわれて、久遠との仲は常にネタにされる。
それが、「注目を浴びる人間」であることの代償。

「そうですか。」
抑えたつもりでも、蓮の声には怒気をはらんでいて、社が続けて苦笑する。
空港への出迎えをキョーコが拒否した。
「大騒ぎはもう勘弁して下さい。」

あれほど悩み苦しんだ、両親の壁は、見方を変えればあっけなく。
『ヒズリ・ブランド』
嘲笑にも思えたそれを、『そんなもん、関係ないだろう。』といささか横柄な監督に気に入られ、華々しい再デビューを果した。そこからは、追い風。
『日本人気質な真面目さ』
スキャンダルの無さに、パパラッチがかえって血眼になって追ってきた。

『日本に残してきた恋人?』

すっぱ抜かれたその記事を、久遠は放置した。
「日本に残してきた恋人」は事実なのだからと。
ただそのことは、久遠にとって痛恨のミスとなった。
「京子」がパパラッチに狙われてしまったから。
認識が甘かった。
『ヒズリ・ブランド』
その情け容赦ない看板は、仕事ではなくプライベートに重くのしかかった。

「極東の謎めいた少女」

小さな島国の女優なんて、女優とは云えないと豪語できてしまう「世界の中心」を自負するアメリカのマスコミ。
久遠がもういい加減に交際を公表したいと言ったのは、「京子」がハリウッド映画に出演したのもきっかけではあった。
「まだ追いつけてもいないのに。」
公表を渋るキョーコに苛立った。
だから、隠そうとはしなかった。


表紙の写真は俳優仲間の結婚式に呼ばれた時のもの。
ブーケトスで受け取ったブーケを手にして微笑むキョーコと並ぶ自分。


すっぱ抜きから、二人が交際を公にし、パーティーやイベントには極力二人で参加するようにはなっていた。が、俄然、拠点は太平洋を隔てたまま。
「敦賀蓮」が大きな映画祭の助演男優賞の有力候補として、レッドカーペットを踏んだ日。隣で「京子」は微笑んでいたが、寸前までホテルで大喧嘩していたのはオフレコだ。


「きっと母と同じ事をしてしまう。今、女優の仕事を取り上げられたら、、、」
「誰も取り上げないし、君はお母さんとは違うよ。俺もいるんだよ?」
キョーコがブルブルと頸を振る。
結婚出産でキャリアに躓く女優は多い。オファーが順調になってきた時期に休むことは、消えることに繋がる。
久遠にそれを否定することはできなかった。
ハリウッドではまだこれからの女優なのだから。
そして、『ヒズリ・ブランド』を利用する程に、キョーコはしたたかではない。

ダストボックスの写真が胸に重かった。



*****
呆気なく返り咲きを果たした蓮さん。
注目されるキョーコさん。

なんていうか、二人が思いが通じても、越えなきゃならないものってあるよね?
と、こういう妄想は尽きなくてですね。



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