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初恋前線ー壱

ネタ?でざっくり書いたお話です。
鎌倉時代のような雰囲気のパラレル。
時代考証もいい加減ですので、和物の時代ファンタジーとでも思って頂けばと思います〜
設定が暗いかもですが、明るい恋愛もののつもりです。
剣士・蓮さんとキョーコ姫。




どこまでも青い綺麗な空。凪いで僅かに白波をたてる広い海。
キョーコはその景色に大きく息を吸って、吐いた。
「やっぱり、嵐になるのね?」
キョーコの後ろに立っていた奏江がそう声をかける。
「うん。船を上げておくようにみんなに伝えなくちゃ。」
「ああ、大丈夫よ。あんたがこの岬にきた時点で、みんな気付いてる。」
「そうなの?!」
にこりと笑んだキョーコの頬がうっすら紅いのは、照れたせいだ。この島で生まれ育っただけでなく、天気を読む才能に恵まれたのだろう、キョーコの天気の予想は「予知」に匹敵すると島民には知られるようになっていた。

「最上殿の血かもしれんな。」
奏江は父親がそうキョーコを評したのを聞いて、初めてキョーコの境遇を知った。この「不破島」の島主・不破家に保護されている孤児というのが、島の子供達の認識だったからだ。そのわりにきちんとした着物を身につけているし、読み書きもできるのは、島主の不破の懐の深さという評価につながってもいた。実際、松太郎という不破の跡取り息子にくっついて歩いているのがキョーコだったし、召使いかなにかのように松太郎の世話をする姿を奏江は何度も目撃している。
「最上殿って、出羽の殿様でしょう?」
本土といわれる島とは違う広い土地の豪族・最上氏。島などよりずっと豊かな場所のはずだと奏江は父親に疑問をなげかけた。この不破島も最上氏の庇護下にあって、海賊などの被害を大きくうけずにきた。
「そうだ、出羽のお殿様だよ。」
「お殿様とキョーコは親戚なの?」
奏江の質問に、父親が少し困った顔をした。
「奏江にはまだわからなくていいことだが、、ま、姫の氏は「最上」なんだよ。」
「え。」
大人はキョーコのことを「姫」という。
「最上殿の縁者を名乗る事が許されているんだ。不破殿は最上殿から姫を預かっているんだよ。」
「にしても、松太郎は姫扱いしてないわ。」
奏江は首を傾げるが、父親は肩をすくめるばかりだ。
「なんにしても、最上殿は戦の天才というほど天地を読むのに長けた方がからな、姫にもその才があるんだろうよ。」
「天地を読む才。」
たまに島の岬で一人景色を見ているキョーコを奏江は眼にしていた。そこそこ年頃になって松太郎がキョーコを邪険にするのも見かけていたから、感傷的になって岬にいるんだとばかり奏江は思っていたのだが、見かけた日は海が荒れるのにも気付いた。だから、岬にたつのは何かの判断をするためなのかと、奏江はキョーコに話しかけるようになったのだ。
島の生計はほぼ海で成り立っている。奏江の家のように船で商いをするものもあれば、漁師もいる。だから、天候の読み違えは命取りなのだ。どうやって、急変する海を読むか、それは島に伝わるいろんな方法があるのだが、今はもっぱらキョーコの読みが一番確実だった。
巫女やなんらかの神懸かりに祭り上げられなかったのは、おそらく最上氏という豪族の縁であることと、最上殿が徹底した現実主義なせいだろうと奏江は思う。
「うん、あのね、海の色がちょっと変わるの。」
奏江の質問にキョーコはそう答えた。ヒントをもらっても、奏江にはその海の色の違いはわからない。
「でも、なんで、海なんか見てるのよ?」
「・・・好きだから?」
肝心な話になると人なつこい笑顔もお喋りな口も止まる。奏江はそれを敢えて指摘したことはないが、松太郎に熱を上げているような行動もそれしかやりようがないようにも見えた。松太郎から離れては自身の存在意味が無くなるといったような、そんな気配。
・・・好きだから。
本心で好きっていってる顔じゃないのよね、と、奏江はひっそり溜息をつく。
キョーコが見つめる海の先にあるのは、、出羽だ。いつか、父親が迎えにきてくれるかもと、海を見ているから、変化に気付くようになったんだろうと、、奏江は勝手に思っている。

「で、また今回の嵐にも期待しているの?」
「うん。」
キョーコは予見した嵐の後、すぐに浜に向かう。嵐で遭難した人間を拾うために、だ。
その理由を奏江は知っている。
表向きの理由と本当の理由の両方だ。
遭難した人間を助けられたら、出羽にいく事ができる。遭難するのはほとんどが、出羽の港を出た人間だから、いずれ出羽に戻る。それを送る為に一緒に出羽へ向かえる、そんな単純な理由ではない。
キョーコが島を出て出羽を訪れる事が許される唯一の約束があるからだ。
「ね、あんたが出羽にいくときは一緒に連れてってね。」
奏江はキョーコを見ないようにしてそう、口にした。
父から聞く出羽の話に幼い頃から興味を持っていた奏江である。女だという理由で、商いに同行させてはもらえないのが不満だった。キョーコはそういう奏江の事情を知っている。
「もちろんよ!モー子さんとだったら、楽しいもの!」
二人の不謹慎な願いをのせて、嵐はやってきた。
そして、二人が期待した通りに、、浜には多大の木片と一人の遭難者が打ち上げられたのだった。

「こりゃまた訳ありそうな男だの。」
島の物知り爺がキョーコ達が運んだ遭難者を眺めて嘆息した。
長身で立派な体格、着物は所々破けていたものの、刀をがっちり掴んでしかも堅固に手首に紐で括り付けていたのは、刀が彼に必須のものであることを示していた。つまり武士だろう。しかも最上氏とは縁のない紋が顎に刻まれていた。
「どこから来たんだろう?」
キョーコは彼の手首の紐に小刀をあてて、切り解こうとした。刀と手首を結んだ紐がどうやってもほどけるようなものではなかったのだ。ただ、解かねば手首の先、つまり手が腐ってしまう。
「随分綺麗な顔立ちよね。」
髷を結っていたであろう髪がざんばらになっていたのを整えていた奏江が淡々と感想を述べる。険しい顔つきで瞼を固く閉じているが、男の顔は鼻筋が通って意志の強そうな顔立ちにも見えた。
「鎌倉からなら厄介なお客人ですぞ、姫?」
「厄介?」
「鎌倉の将軍様と最上殿は昵懇とはいえませんからな。」
「あれを調べに来たのかしら?」
「おそらく、でしょうな。」
ぷつん
紐はなんとか切れたが、男の手はがっしりと刀の柄を握っている。キョーコはその指を一本ずつ解そうとしたが、握った刀ごと弾かれてしまって、尻餅をついてしまった。男は無意識に刀をかばっているのだ。
「ほんとうに大切な刀、なのね。」
弾かれたことを怒るより、キョーコはそうまでして守りたいものがあることを、羨ましく思ってしまった。
「・・海水で錆びなきゃいいけどね。」
呆れたように奏江が言って、キョーコも困った顔になる。柄と鞘を男はしっかり握りしめているのだ。鞘の中身を確認しようもない。
「仕方なかろう、下手に刺激して斬られても困る。大した怪我もなさそうじゃし、昼には眼を覚ますだろうよ。」
爺が二人に笑んでみせた。
「姫の望みを叶えられる御仁ならよいのじゃが、、あまり期待はなさいますな。・・・目を覚ましたら、飛鷹に声を。かなり鍛えておるようだし、暴れられて何かあっては爺も困る。」
キョーコと奏江は顔を見合わせてから、爺に「はい。」と返事を返した。島の人々はキョーコがこうやって遭難者の世話をする理由を知っているし、そも、天候を読む才のあるキョーコを蔑ろにはできなくなっていたから、協力は惜しまないでくれる。
爺が部屋を去ったあと、キョーコと奏江は再び顔を見合わせて、そして微笑んだ。
「武士、なら。」
「しかも最上衆でなければ。」
「「完璧ね。」」




******
何気に組み込めなかったんですが、、蓮さん褌一つで薄っぺら布団に寝かされてます。刀抱えてるから、着せようがなかったっていう。(もとの着物は裂いて脱がされた。)

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