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「で、どうしたいんだ?」
LME社長室、社長はソファーに深くどっかり構えて、敦賀を見上げる。
ハロウィン近いのもあって、何かの妖怪の変装らしいが、いつもより地味で一般的な姿に見える。
「・・・都合のいい話だってわかってるんです。世間に本来の姿とは説明はせずに、敦賀蓮として、出たいと思います。」
社長がため息をついた。
「それでいいじゃねえか?アイツみたいに芸名の葬式もなかろう?」
「え」
敦賀は顔を挙げる。
「で、行くんだろ?」
敦賀は目をみはる。
「ラブミー部のお嬢さん方に英語も教えているんだってな?」
口元につい手が行く。
「・・・先超されて、かっこつかないよなぁ〜」
社長の表情はいやらしい笑いに変わっている。
「ま、最上君じゃないが、素顔を探されまくるあいだ、行ってくればいいんじゃねえか?」
シュボっと派手な音で社長は葉巻に火をつける。
「ただ、条件がある。」
少し和らいだ敦賀の顔が一瞬にして強ばった。
「最上君にはちゃんと話せよ。・・・それができないなら、オレはこの話・・・・断る。」
低く、脅すような声音。
「今、彼女はうちの看板になりつつある、しかも大輪の花を咲かせるはずのな。」
「ちょっっとでも、壊すようなことをしてみろ。たとえお前でも、オレはゆるさん。」

「っ敦賀蓮は作った役だと、彼女に話す事は・・・壊すことに、ならないんですか?」
絞り出すような声。
ふん。社長はにべもない。
「そんなもん、オレが答えんのか?オマエどれだけ最上君を見てきた?」

ーどれだけ、見てきた?

「オレはいい機会だと思っているんだ。」
「佐野と社にスケジュールはつくらせるぞ。どうするんだ?」

「お願い、します。」
胸がつぶれてしまって呼吸が苦しい。
彼女の信頼すら失う、それが怖い。


ー本能が警告してるんじゃないのかー

こちらの苛立ちをすぐに察知しておびえるのは、過去のせいばかりなのか?
アイツがそうだったように、彼女の良さだけを利用してた?都合の良い処だけを見て。
アイツが嘘をついていたように、俺も嘘をついていると、彼女はどこかで勘付いている。
嘘の内容が問題ではない。


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