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魔法の鏡

病的パラレルです。
童話は実は残酷なお話であったというようなメルフェンでございます。
ベースは白雪姫ですが、、これを耽美というかグロというか、そんな感じですので、ご注意を。
気持ち悪くなったらごめんなさい・・・・ちょっと限定にしようか悩みました。






「鏡よ鏡よ鏡さん、世界で一番美しいのは、誰?」
鏡にむかってニコニコと問いかける少年がいました。
「それは、貴方のお母様です。」
ほら、といわんばかりにその少年の等身大程もある大きな鏡は、王妃のお姿を映し出します。少年が嬉しそうに鏡を見るので、魔法の鏡としても誇らしい瞬間でもありました。
「それじゃ、一番かわいらしいのは?」
「それは隣国のお姫様ですね。」
まだあどけない黒髪のお姫様の姿を、鏡は映し出しました。
「ほんとだ、すごく可愛いね。」
ふふん!魔法の鏡は得意そうです。
「それじゃ、世界一カッコいいのは?」
「それはもう、貴方のお父様でしょう!」
少年にせがまれて姿を映し出したのは、此の国の王様のお姿でした。そう、少年は此の国の王子様です。
「いつか、俺がそこに映してもらえるんだよね?」
うっとりとそしてきらきらと鏡を覗き込む王子様に、鏡は内心微笑んでいました。
「きっと、間違いなく、世界一かっこいい王様におなりですよ。」

 ***

さて、魔法の鏡は隣国の王妃も持っておられました。こちらの鏡の方が、後の世に有名になった魔法の鏡でございます。
「世界で一番美しいのは?」
王妃が鏡に尋ねます。
「もちろん王妃様です。」
鏡は躊躇無く答えて、王妃のお姿を映し出します。
「隣の王妃ではなくて私ね?」
「はい、王妃様。」
ええ、美醜というのは一定水準に達すれば個性の勝負です。この国の魔法の鏡は、隣国の王妃の眩いばかりの美しさを知っておりましたが、自分の国の黒髪の王妃を美しいと認めておりました。
「お前は良い鏡ね。」
ツンと澄ますのは、王妃が照れているからということも鏡は知っております。このまま、こうやって王妃が美しいと言っていられたら、この国の魔法の鏡は後世に名を残す事もなかったでしょう。
困った事態になったのは、この美しい王妃の一人娘が王妃以上に美しく育ってしまったからにほかなりません。
「どうしてっ!」
鏡の前で憤る王妃に魔法の鏡は言う言葉がありません。
嘘をつけないからこその、魔法の鏡です。
「私(わたくし)より、隣国の王妃より、あの子が美しいだなんて!」
王も我が娘の美しさを誇りにし、王宮では姫を皆がちやほやいたします。しかし、王妃には我が子ながら、姫のアレコレに足らないものが多すぎて腹立たしくてなりません。
・・ただ、にこにこと愛想を振っていればいいと思ってるんだわ!
そう、、王妃は貧乏貴族の娘でしたが、勉強や美顔、はたまたドレスアップの工夫を日夜重ねて、この地位をもぎとられた方でありました。彼女にとって、恵まれた家の娘などただのお人形で蔑視すべき対象にほかなりません。ですから、ご自分の娘とはいえ、ちやほやされている娘など虫酸が走って仕方ないのでした。
「いずれこの国を治めるのですから、全てに秀でていなくては!」
そういって、王妃は姫を王城から森に追い出してしまったのです。

森には、一軒の宿屋がありました。
馬車から着の身着のまま放り出された姫は、彷徨い歩いてやっとその宿屋にたどりついたのです。いくら世間知らずのお姫様でも、森の夜をそのまま過ごせるとは思っておりません。泊まらせてもらえないか?と宿屋にお願いしましたが、いかんせん、お金も持っていませんでした。
「みたところいいとこのお嬢さんみたいじゃないか。」
「あとで礼金がもらえるんだろうね?」
「ええ、もちろん!」
姫は不在に気付いた城の誰かが、迎えにきてくれると信じておりました。しかし、まてど暮らせど城から姫を迎えにくるものはありません。姫は申し訳なくなって、宿屋の手伝いをするようになりました。
炊事・掃除・洗濯・お金の計算・・
王妃が厳しかったお陰で、姫は一通りを普通以上にこなせる技量をもっておりました。ですので、最初は迷惑な客であった姫が、宿屋にとって貴重な戦力に変わるのにそう日数はかからなかったのです。
そして、ついには宿屋の跡取り息子との婚礼まで話題に上るようになりました。
困ったのは当事者の二人です。
跡取り息子は野心家で、この国の姫君が歳近いと知っていたので、その夫君となる「ゆめ」をもっておりました。容貌に自信があり、歌声も才能があるとちやほやされておりましたから、いつか登城して姫を魅了してやろうと考えていたのです。そのための努力はいといませんでした。
一方の姫は王城から追い出されたなどと外聞が悪くて、誰にも云えなかったのですが、王城には戻りたいとねがっておりました。ひとたび嫁となってしまえば、王城にはもう永久に戻れない気がします。しかも姫には、母が持っている魔法の鏡に映る美しい王子様を見たいという願いがありました。

「どうして、あの子は窶(やつ)れてもいないの!」
鏡の前で王妃は髪を掻きむしります。
城をおいだせば世間知らずの姫のこと、苦労してよれよれになるに違いないと王妃は思っていたのでした。
そんなとき、宿屋の跡取り息子は王妃の宴席で歌を披露することになったのです。
「ショーちゃんが、王城に?」
姫は眼を丸くして、宿屋の跡取り息子を見ています。自慢げなその貌に嘘はないのだと知って、姫は一縷の望みを託すことにしました。ショーが姫にその晴れの場の衣装を作るように言いつけたのです。ですので、その衣装に王城の人が姫に気付くように細工すればよいと考えたのでした。
而して、その細工に王妃が気付きました。
「この若者は何処から?」
「森の宿屋の息子です。」
そう、王妃は姫の居所がわかりました。
日に日に美しくなっていく姫に、王妃の心はもう損われていたのでしょう。
悲しい事に、我が子だというのに、姫の存在が赦せなくなっておりました。

 ***

「世界で一番美しいのは誰?」
魔法の鏡に問いかけたのは金髪の青年でした。そう、鏡が大好きだった王子はすっかり大人になっておりました。いまだ、カッコいい王様は自分の父親だというのが忸怩たるものでしたが、父王の権力が盤石なのは良い事で、王子にとって尊敬できる父でありました。
「隣国のキョーコ姫です。」
鏡はかいがいしく働く姫の姿を映し出します。
「姫君だというのに、ずいぶん働くんだね、、隣国は大変なのかな・・」
クオン王子も年頃です。あちこちから舞い込む縁談に辟易していたので、鏡に美しい人を教えて欲しくなったのでした。そして、魔法の鏡は、少年のころ「可愛い」と見初めた姫の今の姿を映してみせたのです。
「逢いにいってみる。」
姫が困窮しているのなら助けたほうがいいだろうと王子は思ったのです。
実は鏡の中の姿に惹かれていたのだと、此のときの王子には自覚がありませんでした。

王子が森の宿屋に到着した時、宿屋は妙な静けさの中にありました。
「御免」
ドアを開けて声をかけた王子に対応するものがおりません。
「?」
王子も供の者も不審がりながら奥に入っていきます。
「どうしたものか、ねぇ」
ベッドを囲んで腕を組んで立ち竦む数人の人。
王子はそのベッドに横たわる人こそ、探し求めた姫君だと気付きました。
「宿屋で不審死なんて迷惑な話、困ったもんだ。」
「死んでる?」
思わず王子が声をあげ、宿屋の一同はぎょっとして振り向きます。
「な?」
その高貴な装いに宿屋の主人は困ったことになったと顔を顰めました。死体をどう隠そうかと相談していたところを身分ある人に見つかっては、もう隠しようがなくなったからです。宿屋をたたんで、どこかで新たに商売を始めるしか無いか、、そんなことを頭の中でぐるぐると考えておりました。
王子は宿屋の一同の困惑をよそに姫に近寄り、その薔薇色の頬に手を触れます。
まだ暖かく柔らかな感触に、王子はびくりと小さく身体を震わせました。なぜなら、死体なら冷たくて固いものだと知っていたからです。
「亡くなったのは、ついさっきなのかな?」
「わかりません。朝の仕事に来ないので、見に来てみたら此の有様だったんです。」
王子の問いに宿屋の女将が答えます。
「、、そう。」
ちらりと王子は自分の供の者を見ます。
「どうだろう、この美しい死体をわたしが貰い受けてもいいだろうか?」
「はぁ?」
にっこりと微笑む美貌の王子に一同はあっけにとられます。死体が欲しいなどと、おかしな趣味でもなければ考えられません。
「なんだ、金が要るのか?」
微笑んでいた王子の眼がすっと細められると、周囲の空気が凍り付きます。
「い、いえ。・・死体の出所さえ、内密にしてくだされば、、、こちらも内密にいたしますので。」
宿屋の主人がへこへこと王子に頭を下げます。へこへことさげながらも貴人の猟奇的な趣味についても引き合いに出すところが商人たるものでしょう。
「そうだな。お互いにこれは無かったものとしよう。」
王子は凍り付くような昏い笑顔で主人を見ます。
「ところで、この娘、どこの娘なのか教えてもらおうか?」
だんだんと言葉遣いさえ変わった王子が一層恐ろしく思えてきた宿屋の一同が震え上がります。
「ふらりと迷い込んできた娘で、我々も良くは知らないのです。」
「そう、それは、、都合のいい事だ。」
紅い唇にその長い指をあてた王子の姿は艶かしいもので、宿屋の一同はぞくりとしました。
「あんた一体何ものだよ?」
姫の身体をそうっと抱きあげた王子に、威勢よくたずねたのは跡取り息子です。
「・・・知らない方が、身の為じゃ、ないかな。」
きろりと王子は息子を横目で睨みました。
「こいつに、得体のしれないばあさんが会いにきてたんだ。」
王子はその言葉に進めようとした足を止めます。
「得体のしれない?」
「俺もよくわかんねぇよ、泊まり客でもねえし。」
「それが、何か?」
「だからよ、そいつが殺したんじゃねえよな?」
跡取り息子なりに何か考えがあるのでしょう。
「さあ?いったい何?」
王子は腕に抱いた姫君の顔をそっと覗き込み、首を傾げました。
「林檎だよ。ばあさんが林檎を渡してたんだ。」
そう答えた息子は齧りかけの林檎を王子の前に突きつけました。
紅い林檎には小さく齧った痕があります。
「・・変だね。キョーコちゃんなら、ちゃんと切って食べそうなものなのに。」
宿屋の一同の後ろのほうで声がしました。
「まあ、その林檎もいただいていこうか、、ここに、此の子はいなかったのだから。」
ざわめき始めた一同を王子の冷たい声音が制します。
跡取り息子がもっていた林檎は王子の供の者が受け取りました。
そうやって、姫は王子に連れ去られていったのです。

***

「世界で一番美しいのは?」
王妃が鏡にといかけます。
「隣国の王子妃さまです。」
ひああああああーーーーーー!
鏡の中に映った黒髪の姫の姿に王妃は悲鳴をあげ、そのまま事切れてしまいました。
そして、こちらの魔法の鏡は呪われた鏡と後々まで言われるようになってしまったのです。
まことに魔法というものは、人心を惑わせるものでありましょう。
さて、もう一つの魔法の鏡はどうなりましたか・・・・
ひぁ、ぁ、ぁ、、
仄暗いお部屋の中、美しい姫とその姫を抱きすくめる美しい王子の姿を映し出しておりました。
魔法など入りこみようもない痴態に、ただの大きな鏡に成り果ててしまったということです。
ですので、後の世に魔法の鏡はひとつ、と伝えられる事になったとか。



おしまい




*****
病んでてごめんなさい。(自分なりに耽美にまとまったよ、と思っているんですが。)

連れ去った後の王子が姫をどうしたか?
書こうか書くまいか、、(*クロ*ィリアっぽいし、蓮キョで赦されるのか、ちょっと怖い)
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