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ハッピーなバレンタインディ(結)

極甘?



ーーーー


「あのう。」
2月14日夕方未明。
敦賀蓮の控室。
訪れていたのは、最上キョーコ。
部屋に、蓮のマネージャーである社の姿はなかった。
控室の隅には摘み上がったプレゼントの、山。
蓮はドレッサーに背を向け、扉の前で立ち竦むキョーコを見つめている。

バレンタインデーと期限を切られた訳でもない。ただ、直感が、バレンタインデーに気持ちを伝えるのがベストだとキョーコは思ったのだった。間に何日か顔をあわせていたというのに、まだ、今日じゃない、今じゃない、そんな気がしながら、眠れない夜を過ごした。

ずっと想像してきた設定とまさに同じ状態。
違うのは、蓮の表情がとても優しい笑顔だということだろうか。
この瞬間まで、何度となく顔をあわせてきたのに、「待っていた。」という雰囲気に思えた。たぶん、キョーコの答えはもう予想がついているのかも知れない。何か、期待を外してはいけないというか、言葉の内容よりも、それをどう伝えようとしているかを、待たれている気がした。
「好きです。」
どんな顔をして、どんなふうに、ちゃんとハートの形に作ったチョコレートを渡すのか。
何度も、
何度も
夢の中で、鏡の前で、顔を姿を確かめた。
・・・これもまた、演技の幅につながっていく。
知らない感情を演じる事はできないから。
このお話を脚本としたら、ト書きにキョーコはずっと蓮に恋していたと書かれているだろう。
「最上キョーコ」なら、どうやって告白するの?

「このまま、一緒に帰ろうか。」
ただ、真っ赤になったまま頷いた。
繰り返したリハーサルどおりに台詞を一度も発することができずに。
けれど、彼の台詞はまるで予想した脚本どおりだった。ただ、こんなに心を蕩かしてしまう響きを持ってはなかったけど。
誕生日プレゼントを開いたあの夜と同じく、チョコレートの包みを彼の部屋で”一緒”にあけるだろうと。
図々しい妄想と真っ赤になって部屋中を転がったりもしたけれど、好きだと言われたからには、そのぐらい想像してしまっても赦されるんじゃないだろうか、とか。
それに、、
敦賀さんは大人。それこそ、挨拶でハグもキスもできるような大人の人。
「好きだ。」
その言葉を受け取ったその先にあるものを、キョーコでも想像できた。理性よりも、身体が理解したんじゃないかと、いうぐらいに、勝手に頭が描き出して、夜毎身体をさいなんだ。
車の助手席で、キョーコは心ここにあらず、ただチョコレートを入れた保冷バッグを抱きしめる。今年はこのチョコレートしか作らなかった。

「キスさせて。」
好きだと言われた場所、リビングのソファーの前。キョーコは真っ赤になったまま固まった。テーブルには広げられたラッピング、からになってしまった箱。
箱につめてあったハートのチョコレートは一口サイズ。ハートが割れるのも、食べかけの形になるのも想像したくなくて、食べきれる大きさにした。

「まるごと、お召し上がり下さい。」
そっと差し出したそのチョコレートとキョーコを蓮が少し驚いたように見て、笑った。
「うん、まるごと、戴くよ。」
ぱく
ハートがその口に運ばれて、含まれるのを、ただ、ずっと見つめていた。気持ちが欠けることなく、大好きになったその人が嬉しそうに食べてくれたハートのチョコレート。
上下する喉仏の動き、太い首筋。
・・男の人なんだ。
漠然と浮かんだ感慨に、また頬が火照る。それを隠すように両手で覆ったタイミングで、蓮の顔がキョーコの顔の側に寄せられたのだった。
「キスさせて。」

どんどんと近寄る距離、長い睫毛が触れそうになる。
見開いた瞼を、頬を覆った両手を、おずおずと下げた。
そうっと丁寧に触れた唇。
・・あ。
チョコレートの薫りが触れたところから染み込んできた。強く抱き寄せられて、いっそう深く重なる唇。甘い香りに眩暈がしそうだった。鼻をくすぐるのは混ぜたラム酒の芳香。唇を摘んで形をなぞるような動きに少し開いてしまった隙間から、熱を帯びた芳香が忍び込んでくる。
・・酔ってしまったみたい。
ぐらぐらと身体が崩れていきそうで、キョーコは膝上に落とした両手で蓮の身体を掴んだ。湯煎の中で溶けていくチョコレートみたいに、溶けてしまいそうだと咥内を舐る熱と芳香にされるがままになる。
「まるごと、、いいんだよね?」
そっと少し離れた紅い唇がそう尋ねた。ぼんやりと蕩けた意識が、眼を伏せて、頷いた。
「嬉しいよ。」
耳許に囁かれた声に含む何かがキョーコの身体をいっそう疼かせる。
ふわり
造作もなく抱き上げられた。
・・あ。
まるで、夜毎の夢のようにあの大きなベッドに運ばれてしまう。ベッドの上組み敷かれたその姿勢。すれすれに近くなる貌は垣間見た夜の帝王のそれよりもゾクゾクとキョーコの心をざわめかせ、所在なくしてしまう。
「私、私も嬉しいです。」
「うん。」
なにか少年のように微笑むその表情に、キョーコも微笑んだ。
「ずっと片想いだって、思ってました。」
そのキョーコの言葉に、微笑んで細くなった眼が伏せられた。
「片想いは、、俺の方が、長いよ。」
そう告げた声が、キョーコの上から離れた。
かたん
ベッドサイドのチェストが音をたて、蓮の背をキョーコは目線で追う。
「10年以上かな・・」
「え?」
戸惑ったキョーコを蓮が再び組み敷いた。
「キョーコちゃん。」
キョーコを見つめる翡翠の瞳。それは、かの妖精の瞳のいろ。そして、親しげな呼び方は、敦賀さんにはない事。
「コーン?!まさか、敦賀さんをのっとっちゃったの?」
くす
蓮は微笑んだ。
「のっとってないよ、、キョーコちゃんにしか解けない秘密。」
「秘密って。」
「戸惑うよね、、嫌いになった?」
「ちがっ・・・。」
さらりとキョーコの額に触れた黒い髪、心配そうに見つめる翡翠の瞳。
「ありのままで君に触れさせて」
沈んだ身体を少し浮かせて、キョーコはその赤くなった唇をそっと重ねた。
「どう呼んだらいい、の?」
「キョーコちゃんはどうしたい?呼びたい名前でいいよ。」
「すごく、、困、るの。」
「コーンでいいよ。その方が、緊張しないみたいだし。」
少し肩を竦めて笑う顔に、キョーコはまたかぁっと頬を染める。
「キスさせて。」
細められた瞳、揺れる長い睫毛、そこまで見つめて、キョーコは瞼を閉じる。
さっきと同じ、チョコレートの甘い香りがまた飛び込んで来た。
触れているのは、敦賀さんで、コーンで。
甘い香りにまた思考が溶けていく。
よくわからないのに、こんなに心が暖かいのはどうして?
ちゅ
触れ合った唇が小さく音をたてる。
ごそ
ウエストのあたりでニットの裾を手繰る感触がした。

肌が直に触れて、触れたところから熱が上がる。溶けたチョコレートをとろりとかき混ぜてる感触。ゆらゆらと身体の重みが消えていく。
「すごくいい。」
まるでさっきのチョコレートみたいに、身体を全て飲み込まれているように感じる。指先からじっくりと少し躊躇いがちに触れて、肌を味わうかのように舌が唇が身体をなぞって、その擽ったいような感触に震えれば、低く掠れて色を帯びた声が賞賛を告げた。
「どこもかしこも食べてしまいたい。」
なぞられた肌からチョコレートの甘い香りがたっているかのよう。
「ほんとうに?」
信じられない程の甘ったれた声がでる。
かぷ
そんな音がしたみたいに、胸の頂きを口に含まれて、キョーコは身体を仰け反らせた。


「もう、無理。」
くったりと投げ出した身体を抱きすくめて、蓮はキョーコに軽いくちづけをおとし続ける。
「続きはまた、今度ね。」
優しい子守唄のようにその声を耳元で聞いて、キョーコはゆっくりと深い眠りに落ちた。




❤︎❤︎❤︎

例の松のチョコレートキスの上書きをも蓮さんは企んだに違いないとか。

極甘ってこういう事っ⁈
お嬢様がたのお怒りは平にご容赦下さいませーmoka史上だし、こうなりますがな。

本懐は遂げたのか?
うーむ、隠し部屋?皆様のご想像?


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続きはまた、今度ね。

そんな余裕、一度味見しちゃった彼にあるのでしょうか。

また今度って、すぐソコのこと?(笑)
楽しゅうございました!
んで、おまけもあるのかー!やったー!←


この度は甘いキョコさんを味わうお話(?)有難うございましたー! ご紹介許可にも感謝です。

Re: 続きはまた、今度ね。

> 魔人sei様

コメント頂きましてありがとうございます!

たぶん用意周到に確実に、きっと毎晩さらっていく算段をたてている蓮さんだと思います。
味見できちゃった余裕のようでいて、いっそうがっついちゃうんじゃ、、、。
おまけ?はて?

おまけ?

そうそう。

───
本懐は遂げたのか?
うーむ、隠し部屋?皆様のご想像?
───

これを読んだ魔人の脳では、「おまけあり」と変換されました。ヾ(≧▽≦)ノ

Re: おまけ?

> 魔人sei様

うう、おねだりに弱いmokaです、、、。

ちなみにキョコ誕もベッドの上のまま、フィニッシュしてない!!!!
気を長めにお待ちくださいませー
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場内整備を勉強しておりますが、不行き届きがあって申し訳ありません。何かのご連絡等は<読者様相談窓口>にコメントをお願いいたします。よろしくお願いいたします。
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