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不憫な贈り物

おい?「バレンタインディ」じゃないのか??
いや、まあ、ちょっと軽ーいお話を書きたかったんですよ。
ネタ自体に新鮮味もないんですが、、不憫といえば。





スタジオの隅。
表、裏、表、、
小さく呟いているつもりであろう彼女の声は丸聞こえだった。
可愛らしい色の毛糸が彼女の手元に集まる。
長い棒を摘むように持ってその先に毛糸を掛けて動かして。
「何を編んでるの?」
蓮が声を掛けるより先に、スタッフの女性がキョーコに声をかけた。
「ミトンなんです。」
「へぇぇ、難しくない?」
「グローブよりは簡単ですよ、小さいからすぐ編み上がるし。」
そう会話する間も、キョーコの手が毛糸を手繰り編み棒が動く。
「あ、そっか、すぐ編み上がるのは大切よね。大物はモチベーションが持たないものねぇ。」
「そうなんですよ、マフラーとかって最後は執念ですよね。」
キョーコの執念という力の入った貌に、話しかけた女性が少しひいた。
「執念って、、ま、だから、喜ばれない贈り物になっちゃうのよね。」
はぁ〜
キョーコと女性が二人して大きな溜め息をつく。
「それは自分用なの?」
「いいえ、プレゼントですよ?」
え?
話を聞いてしまっていた蓮がびくりとする。
2月も間近に迫る1月末、蓮は誕生日やらバレンタインやらのプレゼントリサーチ攻勢にあっている。年末のクリスマスあたりから、雑誌の取材でも貰って嬉しいプレゼントやら何かそんな話題だった。
「お友達の誕生日とか?」
そう、キョーコが編んでいる毛糸の色は可愛らしいピンク色。女性用だろう、と蓮は思う。
「えーと、誕生日のお返しなんです。」
にこーっ
周囲にお花をとばして微笑んだキョーコの貌はあまりに可愛らしく、、蓮は編まれているものが、彼女の「親友」に贈られるのだと察知した。
「へぇ、いいなぁ、高校生らしくって。」
えへへ
スタッフの感嘆にキョーコが照れ笑いを浮かべる。

・・・お返し、なんだ・・・。

自分の誕生日が近いとか、俺にはお返しは無いのか、、とか蓮の胸の内が一気にもやもやしだした。
・・・なんて大人げない。
・・・ああやって、俺の事考えながら、編んでくれたら嬉しいのに。
キョーコが「もうちょっとで出来上がりますよ。」とかこう、あのハニースマイルで懸命に何かを編んでくれる妄想が浮かんでしまい、蓮は慌てて緩んでしまった口元を手で隠した。
『喜ばれない贈り物』
はた、と、さっきの二人の会話が蘇る。
取材でも言われていたが、手作りの贈り物は一般的にあまり歓迎されない。実際、蓮も事務所もファンからの手作りのものは行き先に困ってしまう厄介なシロモノだ。
・・・でも、最上さんの手作り、か。
そう、誕生日は近いのだ、、リクエストしたほうが彼女も気が楽かもしれない。
・・・いや、全く予定してくれてなかったら、、それは、どうなんだ?!
今クールは、共演もないから、今回みたいに、移動中に見かけるのが関の山。(社さんの涙ぐましい努力の結果と蓮は知らない。)誕生日だからと、わざわざ俺のところには来てくれないかもしれない。
・・・ここは、さりげなく。
蓮は少し天井を仰ぎ見てから歩き出した。
「最上さん、お疲れさま。」
「敦賀さん!!お疲れさまですっ!!!」
手にしたものを勢い良く鞄に投げ込んだキョーコが、90度以上の角度でお辞儀する。
「何をしまい込んだのかな?」
「あ、え、っと、、すみません、そのそんな重たくて執念深いもの、敦賀さんには贈りませんから!!!!!」
真っ青になったキョーコが鞄を見られまいとあわあわと両手を横に振る。
「重たくて執念深いって、何が?」
さっきとはうってかわって、デッドブルーに近いその顔色のキョーコに蓮は落胆する。
「あの、、編み物なんですけど、、。」
そろり
上目遣いでキョーコが蓮の様子を探るように見上げた。
ぐっ
・・・どうして、こう理性をためすかな!!!
「だから、どうして編み物が、そんな禍々しいものになるのか、わからないな。」
蓮は堪えた息をわざとらしい溜め息にかえた。そして、ふと、、気に入らない事を思いついてしまった。おそらく、不破に何かを編んでプレゼントしたことがあるのに違いない、と。
「そ、それは、ですね。編み物は、呪いの品だからです。」
びしりと、キョーコが言い放つ。キョーコはキョーコで、昔ショータローに気味悪がられたマフラーとかそんな話を敦賀さんに言える訳がないじゃない!と必死だったために、言葉のキャッチボールになっていない事に気付かなかった。
「いや、、そんな呪いの品を、誰に?」
「こ、これは・・・友情の呪い、というもので!」
「友情も、呪いなのか?」
「そりゃもう、ラブミー部の呪いですから。」
ばん!キョーコが何か勢いを得たように胸を張り、蓮は少し遠くを見る眼差しになってしまう。
「手作りなんて、いまや貴重なものじゃないのかな。」
「え、敦賀さんは手作り肯定なんですか?」
「そうだね、作る事は好きだし、それで喜んでもらえたらいいことだと思うけど。」
「喜んでもらえますか?」
ちろり
再びのキョーコの上目遣いに蓮はたじろいだ。そして、確信した。きっと、誕生日プレゼントは手編みの何かだと。
「もちろん。」
期待をこめて、蓮は微笑む。
「良かった!流石は敦賀さんです、ありがとうございます!」
にこにこと頭を下げるキョーコに、望みをさりげなく伝えられた満足感に浸った蓮だった。

そして、蓮の誕生日がやってきた。
「絶対に、お家で開けて下さいね!」
お約束のようにキョーコが迫力満点に念を押したプレゼント。
蓮は大きさからマフラーかセーターかと期待して、それは確かに人前で開けられるのを恥じらっても仕方ないかと、自分が喜ぶ姿を見せられないのは残念だとか、ほんの少し、、浮かれて受け取った。
いそいそと帰宅するなりリビングに広げたそこには、、、、、。
『自分で組み立てる置き時計』
・・・どこを
・・・どう解釈したら、、、、
蓮はあの時の会話を思い返した。
キョーコ「え、敦賀さんは手作り肯定なんですか?」
蓮「そうだね、作る事は好きだし、それで喜んでもらえたらいいことだと思うけど。」

・・・ここで、「作る事が好き」とインプットされて、
キョーコ「喜んでもらえますか?」
蓮「もちろん。」

・・・喜んでもらえるの主語は、、琴南さんだったのか。
がくり
キットの箱を抱えて蓮は項垂れた。
・・どうしてそう難攻不落なところにおちるんだ!
社長の声が脳内にこだまする。
敦賀蓮、2X歳の誕生日の夜は、ひとり工具を片手に更けていったのだった。


ちゃんちゃん

*****
ふ・・・不憫・・・。
策に溺れたっていうか、ねぇ。
ピンク色のミトンはラブミーつなぎとコーディネートで、お揃いらしいですよ。モー子さんがこっそり使うであろうことも妄想して楽しくなってました(笑)
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ナイスチョイス!

置き時計キットって…確かに好きそう(笑)ツボに入りました(笑)うん、キョーコちゃん完成した時計見てきっと喜ぶよ!その笑顔の為に頑張れ敦賀氏(笑)!

Re: ナイスチョイス!

> すながれけんじ様

コメントありがとうございます!
けんじ様のツボをつけて嬉しいです(^^)男子はやっぱり工具似合わないと❤︎
得意げにキョーコちゃんに時計を見せて欲しいです!
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場内整備を勉強しておりますが、不行き届きがあって申し訳ありません。何かのご連絡等は<読者様相談窓口>にコメントをお願いいたします。よろしくお願いいたします。
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