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ハッピーなバースディ(後編)

蓮様、お誕生日おめでとうございますですよ。
いつか、本懐とげられますように〜!!



そわ、そわ。
ここでなら、
このタイミングなら、
「さり気なく」出逢える筈。

ハッピーなバースデイ(後編)

コンコン
期待していたのとは違うノックの音。
「お願いします。」
撮影開始を知らせるスタッフの訪い。
蓮はふぅーと溜息を吐いて、一度鏡を確認した。笑み崩れた貌はそこにはない。些か情けない気配が漂っていた。
・・・自分から好きだとも言えない癖に、好意を期待するからだ。
スッと椅子から立ち上がり、蓮は平然を纏って歩き出す。
「好きだよ。」
そう言ってしまったら、脱兎の如く逃げ出してしまうか、ありえません!とバッサリ斬られそうな気がする。それが、怖いのか?
でも。
彼女は人の好意を無下にできる子じゃない。
「好きだよ。」
そう言ってしまったら、きっと、一生懸命に俺を好きになろうとしてくれるだろう。
それが、怖い。
まるで課せられた義務のように努力して、俺が満足するように努めてしまうんじゃ、なかろうか。
・・・最上キョーコを作っていくんです。
いつかそう話してくれた、あの姿を思い浮かべた。
だから、そっと見守るのだと決めたのだから。
でも、いつまで?

「おはようございます。」
共演者達が、スタッフが、挨拶を交わす。その向こう側に、誰かを見上げて笑っている彼女がいた。コートを着たままだから、いまさっきこのスタジオに来たのだろう。遠目でもわかる赤い頰。
・・・その笑顔を誰に向けている?
頬を染めているのは、寒い中、自転車を飛ばしてきたからだと思いながらも、頬を上気させて笑顔を見せるなんて、特別な相手なんじゃないかと考えてしまう。
ズキン
今日この日ぐらい、一番に俺に会いにきて欲しかった。
胸の奥、床に座り込んで膝を抱える小さな久遠がいる。父さんも母さんも仕事で不在の誕生日。夜には帰ってくるとは知っていても、寂しいと思っていた。
・・・この日ぐらい。
まるで駄々っ子のような感情。
見守っているうちに、他の誰かを選んでしまうぐらいなら、奪い去ってしまいたい。
「敦賀さん、ちょっとコッチいいですかぁ?」
ライトが眩く当たるセットの手前に、数名のスタッフがいる。シーンの説明かと移動すれば皆ぞろぞろと動いた。撮影が始まってしまえば、彼女とは挨拶できない。なにかもやもやとする感情を抱え込んで蓮はセットを眺めた。
、、、あれ?
にやにやと笑う監督が立っている。
「じゃ、はじめよーか?」
「ハーイ!」
蓮以外の人々が楽しそうに声を上げた。急に腕を掴まれて、セット中央の椅子に座らされる。
??
ぐるり
あっという間に囲まれて、バッと照明が落ちた。
♪Happy Birthday to you〜
合唱の中に、カラカラとカートが動く音が聞こえ、人垣が動いた。
ポゥ
スポットライトがそこに柔らかく当たる。
たくさんのローソクが揺れる大きなケーキ。
蓮は目を見張った。
カートを押してきたのは、最上さんで。
暗がりのスタジオの中、ローソクの炎とスポットライトに浮かび上がる姿は、まるで天使のように光の粒子を纏っていて。
♪Happy birthday dear..Re-n!
一際大きくコールされた名前とともに、にっこりと微笑む彼女の顔がある。
歌が終わって、期待の視線が集まる。
ふぅぅーっ
ローソクを吹き消した瞬間にパアッと明るくなる視界、大きな拍手。
「お誕生日おめでとうございます!」
ニコニコと嬉しそうに蓮を見つめる彼女に、なんて言ったらいいのか言葉に詰まった。ただ、嬉しくて照れ臭くて貌が笑み崩れるのが、、わかる。
「やだ、敦賀くん、かわいー。」
きゃぁ
と女性の嬌声があがって、笑い声がさざめいて広がる。
「やったなー!サプライズ成功だろっ!」
カメラ片手の監督に声をかけられて、蓮は「ありがとうございます。」と頭を下げた。けけけというような笑い声を出して監督は満足げだ。
「少年みたいな顔見せてくれて楽しかったよ、いや、いいねー誕生日!」
それを皮切りに次々と蓮に寄ってきてプレゼントを渡す人々に飲み込まれる。
「どうしてこんな、大仰な。」
「いやさー大の男が誕生日なんて祝われても嬉しくはないかもしれないけどさ〜案外若いって知っちゃったし、こういうのもたまにはいいんじゃね〜かって。出来た後輩に感謝しろよ。」
にかっと監督が笑う。
「え・後輩って。」
「京子ちゃん。俺らが何しようかって言ってたのを、彼女がこういう形にまとめたんだからな〜」
くいっと監督が、ケーキを切り分け始めた彼女をさりげなく指し示す。
思わず顔が綻んだ。
「ありがとうございます。こんな誕生日、嬉しいです。」
ああそうだ。
彼女は祝ってもらう誕生日をことのほか、喜んでいたじゃないか。
だから、きっと。

「おめでとうございます。」
スタッフたちにまみれた彼女が差し出したプレゼントを受け取る。
いつまでたっても、人を押しのけて俺の前には出てこないから。
・・・セツみたいに、私のモノよ!って言ってくれたらいいのに。
「ありがとう、すごく、嬉しいよ。最上さん。」
俺から、きちんと君が特別な人だと示さなきゃ、「ただの後輩」から踏み出して貰えないよね。
名前を呼ばれて、ほんのりと頬を染めるその表情に嬉しくなった。
この場では、それで、充分だよ。
あとで、電話、するよ。
君にこんなに祝福される俺は、幸せだと。
ちゃんと、君に伝えよう。
だから、、ほんとうは。
そう、どこでもいいから、二人でゆっくり話せるところで逢いたいと、電話するから。
丁寧なラッピングを眺めて、そして、どうしてもこみ上げてしまう歓びが口元を緩めてしまうけど。
「これも家で開ける方がいいのかな?」
きょとんとする人達の中で、彼女だけが真っ赤になってアワアワするのがやっぱり嬉しくて。
「で、できればっっそうしてくださいっっ!」
ビックリするような声をあげて、ぺこんっと下げてしまう頭にいっそう嬉しくなって。
「楽しみに持って帰るよ。」
どうしたらそんなに真っ赤になってしまえるのだろう、という程に真っ赤になって立ち竦む彼女の姿に、どうしようもないほど心が温かくなってしまう。
・・・俺は君にとって特別な存在なんだ、と勘違いしてしまうよ?
だから、
やっぱり、、
俺は君が好きなんだ
ちゃんと君に、今日、伝えよう。
君に出会う為に生まれてきた日だから。

「・・・今朝は、ありがとう。その・・」
控室でひっそりと電話を鳴らす。
「うん、御礼をしたいから、、断らないで。」
「祝って欲しいんだ、、君に。」
「ありがとう、じゃぁ、あとで。」

いままでで最高の誕生日をありがとう。




*****
これで、終わらないのが、、fly awayです(苦笑)
ええ、バレンタインデーに続く。
だって、まだ本懐とげてないから←おい!
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蓮さんが。

ほんと幸せそうですよね!!

にやにやにやにやしながら、拝読させていただきました。

バレンタインではどうなるのか。

本懐?も楽しみにしてます。

Re: 蓮さんが。

> 魔人sei様

コメント本当にいつもありがとうございますー
うちでは稀になりつつある、読んでニヤニヤなお話。
本懐のためにがんばりますー
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場内整備を勉強しておりますが、不行き届きがあって申し訳ありません。何かのご連絡等は<読者様相談窓口>にコメントをお願いいたします。よろしくお願いいたします。
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