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奴がきた! 36

さぁ、皆様の期待を裏切るかもしれない、、展開。
今回はめずらしく、

タケシは登場しません!

と、いうのは・・・



キョーコ!
腹式呼吸の美声が廊下に響いた。キョーコは思わず正面を凝視する。つい先日までお馴染みだった英語訛りの自分の名前。ジュリはもうアメリカに帰ったはずだと一瞬そんな事が頭をよぎる。しかし、正面から走り寄ってきた人は金髪の女神ではなかった。
ボンッ
一瞬にして抱きすくめられ、そのふくよかな胸に顔が埋もれた。
「な?」
「逢えたわ!!」
「は?」
ぐりぐりと頭を撫でられてキョーコは途方に暮れた。
「タケシは?一緒じゃないの?」
ガバリ
肩を掴んで身体を離したその人がキョーコの顔を覗き込む。くっきりした顔立ち、ダークブラウンの瞳に髪なのに、明らかに人種の違う、、白い肌。
「あのぅ、、。」
「あ、あぁごめんなさい。私、キャシーっていうの、タケシから聞いてない?」
ニコリ
少し首をかしげるその姿に、キョーコはホヨンと見つめてしまった。綺麗な人。
・・・でも、タケシ?
「タケシに逢いたくて来たのよ!お願い、会わせて?」
「すみません、お話がわからないんですけど。」
「やあね、惚けないで!これを見たんですからねっ!」
キャシーはポケットから折りたたまれた紙をキョーコに見せた。
タケシを抱き締めて微笑むキョーコ。
いつぞやの雑誌の表紙だった。
「あぁ!」
キョーコの中で、話がつながった。特徴あるティディベアの「タケシ」を、キャシーは知っていて、この雑誌の写真でキョーコが今の所有者と思ったのだ、と。そして、来日したヒズリ夫妻から”頼まれたこと”を思い出す。
「クーパパのお知り合いなんですね?!」
キョーコはニコニコして見せた。
・・・・ここが女優としての正念場よ、キョーコ!毅然と余裕を見せなきゃ。
「え?まあ、そう、といえばそうね。」
キャシーが少し言い淀んだ。
「パパから聞いてます、タケシのお友達が訪ねてくるかもって!」
無邪気にはしゃぐようにキョーコはキャシーの手を取った。
「タケシの予定も確認しますけど、キャシーさんは何時が都合がいいですか?」
「今晩逢いたいの!ね、一晩でいいのよ、嫌かもしれないけど、、、その。」
キャシーが少し頰を染めて、キョーコの耳に囁いた。
「彼と寝たことがあるなら、わかるでしょう?」
キョーコの表情を探るようなキャシーの眼差し。
「まあ、その、、。」
こんな美女がぬいぐるみを抱いて眠りたいのだろうかと、まあ、それは恥ずかしいかも、などとキョーコは思った。
「抱き心地いいですもんね。」
にっこりとキョーコは微笑みかえし、どうやってタケシと連絡を取ろうかしらと考えた。タケシは家にいるし、電話には出ないから、今晩は無理よね。
ただ思索に耽りかけたキョーコの前でキャシーの様子が変わっていた。
「ねぇ、どうして貴女を選んだのかしら?」
ドキっ
キョーコは内心の動揺を隠しながらキャシーの次の言葉を待った。タケシの話題のようでいて、やはり久遠の事なのかと。友好的とは言い難い態度への豹変は、、そう、キョーコに「彼氏」がいると知って、怪訝な顔をした女性達に重なったからだ。
「クーもジュリも、、タケシを手放そうなんてしてなかったのよ?私がどんなにお願いしたって、、、」
キョーコの頭の中はハテナマークでいっぱいになる。
「選んだかどうかは、私にはわからないんですが。」
タケシは久遠に会いに来たのだから。
「ちょっと、どういう事よ?大和撫子は奥ゆかしいとかいうけど、なんだか腹立たしいわ!」
さすがにカチンときた。
「タケシにだって意志があるんだから、それを尊重すると言っただけよ!」
そう。タケシは意志を持って話し動けるティディベアなのだ。ただのぬいぐるみではない。まして、、、
「久遠がいないんだから、タケシだって義理立てする必要なくなってるのよ?自由にしてあげてよ!」
キャシーの剣幕に、キョーコは唖然とした。
ついさっきまで、「久遠」の居所を掴もうとしてタケシを引き合いに出しているのではないか、という疑念がかすめていたのだが、何かが違う。
「確かにタケシをボディーガードにするとか、クーさんなら娘には安心な存在よね?」
それはそうである。基本ぬいぐるみなのだから。
「お願い、タケシと話をさせて。」
「今晩は無理よ、明日、私はここで仕事があるけど、、貴女は?キャシー?」
何故か強気に出た方がいいような気がした。とりあえずタケシに確認をとらなくてはいけない。
・・・「久遠」にも。
いったいどんな関係だったのか。
・・・ただの知り合いであって欲しいけれど。
キョーコは強気の仮面の下から、キャシーをみつめる。女らしい躯のライン。そういうものが女の価値を決めるのではないと思ったところで、気にならないというのはうそだ。
「時間なんかどうとでも合わせるわ。」
キャシーはそう言い放って、追いついた取り巻きとともに去っていった。

キャシー・コリンズ
世界を飛び回るほどの売れっ子シンガーとキョーコが知ったのは、彼女が去った直後。
「よお。」
むすりとしながらキョーコをみるその上から目線の相手によって、情報がもたらされた。
ショータロー、、とキョーコは口の中でモゴモゴという。今までならもうこの時点でそのフルネームを叫んでいたところだが、そんな事をすれば、、大魔王化した婚約者が飛んできそうで、押しとどめたのだ。
「お前なんでキャシーと知り合いなんだ?」
「は?アンタこそ、、、まぁ、好きそうなタイプ、よね。」
キョーコは否応なく押し付けられた胸の感触を思い出し、ムカムカと腹をたてる。どうせ、私の胸はあんな感触じゃ、、、、、。
「はぁ?お前、キャシーが如何程の存在か知ってんのか?」
ショータローのせせら笑う表情が、物知らず、と言っている。
「知り合いだったら、なんだっていうのよ。アンタなんか紹介するわけないでしょ。」
チッ
「紹介」は図星だったらしく、ショータローの顔が一瞬固まった。
「可愛げのないヤツ。」
「アンタに可愛いだなんて思われたくもない!」
あーやだやだ。いつまでこんな事繰り返すんだろう。
「けっ、お前は日本の芸能界だけで満足してるんだろうけどな、俺は世界が相手なんだよ!」
「はぁ?」
「今晩の番組見ろよ?いいな!」
捨て台詞を吐いて、ショータローが祥子に急かされて、キョーコの横をすり抜けた。


そして、、帰宅したキョーコは、、その番組を見る見ないで揉めている蓮とタケシの姿を見つけてしまったのだ。
・・・敦賀さん?
タケシと話す彼は、憧れの大人な先輩のではない。キョーコに見せる優しくて不器用な恋人の姿でもなく、、、
はぁ
ゲストルームのベッドに腰掛けて、小さくため息をついた。
キャシーの出現で気を張ったことも知らずに、子供のような兄弟喧嘩を見せつけられて、なにか力が抜けた。キョーコが知らない「久遠」の少年時代をタケシは知っている。だからこその、、、、そう、ショータローがキョーコを知っているから、たわいもない事で簡単につっかかってこられて、喧嘩腰でつい応じてしまうように、二人の関係がある。そうきっと、ショータローの彼女に、ショータローの過去をバラすなんてあんな感じになるのだろう。
・・・20人ね、、流石にショータローの負けだわ。
「20人!」
聴いた瞬間に沸騰したものの、冷静になれば1年も付き合った人がいないだろうとわかる。単純に20を5年(タケシとアメリカにいた年数)で割れば年に四人、それは彼女とは言わないのではないだろうか、、ショータローのいうところの、モテ男の勲章、、みたいなものではないか。不愉快でもそういうものだろう、久遠が女の子の注目を集めなかったとは思わない。
・・・・それを彼女とカウントしてるのね!
また燻りだすイライラ。
しかも、あの、、キャシーのような、、出るところが出てる女らしいスタイルを思い出して、また怒りが再燃する。
・・・・なんだかんだでああいうタイプが好きだったんじゃない!
「あ、、。」
キャシーは”タケシと逢いたい”と言っていた事をキョーコは思い出した。
「会うつもりあるのかな、、。」
ベッドから立ち上がり、キョーコはゲストルームのドアを開けた。



*****
キョーコちゃんが逃げ出て行かなかった理由??
キャシーさん??
・・・元ネタ映画をご覧の方はおわかりかも?

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