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奴がきた!35

はい、ちょー久々に奴が帰ってきました!
ええと、前話から数日たっている設定でございます。

副題「王様の耳は、ロバの・・」

快調マイペースなティディベア・タケシ。

蓮さんの誕生日を前に、また悪巧み?


ぶつ
タケシはご機嫌で見ていた音楽番組をいきなり切られて叫んだ。
「おいっ!」
ソファーの上から振り返れば、リビングの入口で仁王立ちの蓮がいた。そう、ここは蓮の家である。彼が帰宅するのは当然だ。だが、帰ってきていきなり何も言わずにテレビの電源を落とすとは、そんな意地悪をされるいわれはないと、タケシは太い眉をよせた。
蓮も蓮で、お帰りとも云わずテレビの前、ソファーの上でぽんぽんとご機嫌に踊っていたティディベアに多少腹立たしく思ったのは事実だったが、よもや使うとも思わなかったスマホの家電操作アプリでテレビの電源を落としたのは別の理由からだった。
・・そう、音楽番組である。
タケシのお目当てがミニスカ女子のダンスだということは、わかっている。別にそれをどうこういうつもりはない。タケシが女の子好きなのは、今に始まった事ではないからだ。

ただ、帰宅した矢先に、「奴」の顔も声も見たくも聞きたくもない。
そう、タケシのお目当ての女子グループの後ろに、すかした顔でふんぞり返った男が映っていたのだ。
・・・不破・・・・
彼の本業がミュージシャンである以上、そしてルックスも重視な以上はテレビ局で仕事をするだろうし、こうやってテレビで見かけたって仕方がないのだが。

「なんだよ〜いいじゃねぇかテレビぐらい見せろよ!」
タケシは蓮の機嫌の悪さは察しつつもわめく。蓮に背を向け、テーブルに置かれたリモコンに手を伸ばして、テレビのスイッチを入れた。

〜なんかぁ、不破さんの新曲ってぇすごくドキドキしちゃいますよねぇ〜
タケシお気に入りの女子がニコニコしながら、不破にマイクを向けている。

「XXXXXXXXX!!」(スラングのきったない罵り言葉)

タケシが腕を伸ばし、画面に向かって罵りあげる。
蓮はあっけにとられつつ、笑ってしまった。たぶんタケシ的に指をたててたりもするのかもしれないが、いかんせん、ティディベアである。もふもふの可愛らしい手だ。
くるり、振り返ったタケシの顔は眼がすわっている。
「お前ほんとに暗いな。」
伸ばした腕はそのままにタケシが蓮に言い放つ。
「暗いって、なにが。」
画面を見ないようにリビングに背を向けて蓮はキッチンに向かう。
「恋敵を見たくないって画面消すあたりがだ。」
「おまえが勝手にテレビ見て踊ってたのが忌々しかっただけだ。」
キッチンの奥、冷蔵庫に向かって、蓮はめんどくさそうに答えた。
「へー、それにしたって暗いよな。黙って電源切りやがって!」
「俺の物をどう操作しようと、俺の勝手だろう?」
冷蔵庫から目当てのもの、、缶ビールを手にして、蓮は振り返る。
「だから、それが暗いって言ってんだ!本人に向かって、XXXXXX!なんて、おじょーひんな久遠様にはいえねえよなぁ〜」
タケシは怒っているのだろう、かなりの早口でまくしたてている。
「俺は我慢しないからなっ!!!」
勢いに圧倒されたのと、タケシの切れっぷりを久々に見たせいか、蓮は妙ににやけてしまう。そして、そのにやけた表情がさらにタケシの癇に障ったらしい。

「キョーコにいいつけてやる!」

ソファーの背もたれによじ上り、蓮と目線をあわせたタケシがびしっと言い切った。
そのタケシの後ろで不破が唄っている。蓮は表情を歪めた。
「いいつける?何を?」
蓮は売られた喧嘩は買うと云わんばかりに、タケシに詰め寄った。タケシは鼻息荒く睨み返す。
「キョーコが知りたがっていることだ!」
「は?」
意外な一言に蓮は固まる。知りたがっている事?
色々あったとはいえ、順調に結婚までカウントダウンが進んでいる今、彼女に知られて困る事など思い当たらない。両親の事も名前もどうして来日したかの経緯まで、彼女は知っているのだ。

「お前の女遍歴、全部事細かに報告してやる!」

〜モテない男の女なんて、、
静まり返った部屋に響く、不破の歌。
キョーコの幼馴染みというだけでも腹立たしい男は、ちらりと現われてはいらない事をキョーコに焚き付けていく。
・・都合のいい女なんですよね?
つきあい始めのころ、キョーコが涙目になって蓮の前から去ろうとしたのも、「好きだ」という言葉も「愛してる」という言葉もまともにとってくれないのも、そもそも不破がキョーコに植え付けた事だ。きっと、また、過去に女なんかたくさんいて、そいつらと比べられてるんだとか、なんとか、不破にいわれたのだろう。
「事細かにって、、、。」
10代の好奇心と勢いだった時期をタケシはよく知っている。
「けけけけ、キョーコはショックうけるだろうなぁ〜」
そりゃそうだろう、過去の話なんて気持ちよく聞ける訳がないのだ。知りたくても知らない方が平和だ。現に、こうやって蓮は不破に腹をたててしまうのだから。
「そんな話したって、不毛だろう。」
「まぁな〜けど、俺、いつうっかりぽろりで云っちゃうかと思うと、ねぇ〜」
タケシの顔がにやりとする。
「俺だけが秘密にしておくっていうのもさ・・両手に余る程の彼女達とかさーそっか、人数ぐらいは教えてやってもいいかもねぇ。」
ちろり
タケシが天井をみて何かをカウントしはじめる。
「20人は軽いっけ?」

「20人!!!」
その悲鳴のような声は蓮の後ろから、上がった。
「キョーコ・・・。」
蓮とタケシ、期せずして二人の声が力なく重なった。
「どういうことなんでしょうか?」
キョーコがリビングの二人に近寄ってきた。
「・・・どういうことって?」
「彼女さんが、、、20人、て?」
「いや、それは、タケシのうそ、だから・・。」
「、でも一人や二人じゃないんですよね??」
「・・・・・・」
タケシが必死に蓮を小突いたが、蓮は答えられなかった。
「年貢の納め時って、こういうことを云うんですかね?」
キョーコの表情は、なんというか、彼女の母親によく似たものだった。
「年貢の納め時って、、、」
また知らない単語の活用に蓮は眼を泳がせてしまった。
「さあ?もういいです。人数を数えられても不愉快ですし。」
「私、疲れているので、今晩はゲストルームを使わせて頂きますね。おやすみなさい。」
ぺこん
キョーコが頭をさげて、すたすたと去っていく。

「飛び出してかなかった・・・。」
ぼんやりとキョーコの後姿を眼で追いながら、蓮が呟いた。
「いや、そうだけどさ、、しばらく、触らせてもらえないと、、思うぞ。」
「タケシ、お前、責任感ってものはないのか?」
「ない。だいたい、過去に『恋人』なんかいなかったじゃねーか、そう言えよ。」
ぐっと蓮が押し黙る。そう、対外的にも身体的にも関係があったけれど、「恋」ではなかった。キョーコが初恋なのだと、、それだけはキョーコに云えていない。キョーコには二度目の恋、自分には初めての恋だなどと、とてもではないが言えない頑なな自分がいる。
「いたのはセフレぐらいじゃね?」
なんで、真面目に答えようとしたのかねぇ、いや、真面目に答えてりゃ、キョーコも平和だったのにねぇとタケシはブツブツとのたまう。
ぐい
蓮は手にしていた缶ビールを一気に煽った。
・・・恋は、どうしてこうも、ややこしいんだ。

そして、「年貢の納め時」をスマホに尋ねた。
”《租税の滞納を清算する時の意から》悪事をしつづけた者が、捕まって罪に服する時。転じて、物事をあきらめなくてはならない時。
例文「独身生活を謳歌したが、そろそろ―だ」”

部屋を飛び出さなかったキョーコの気持ちに感謝した。キョーコが最後の女である、そう思ってくれたのかと、少し嬉しかった。けれど、、、女遊びを諦める、と思われているのは心外。この誤解を解くには、、やはり初恋だと信じてもらうより他ないのではないか。

「やっぱ、よかったんじゃね?過去があるってわかってさ。」
タケシがテレビを見つめながらそう言った。
「タケシ、、どうしてそんな・・・・。」
画面に大写しになった、マイクを握るブルネットの美女が、微笑みながら熱唱している。
「歌手に、なってたんだ。」
「来日してたのかよ。」
顔を見合わせた蓮とタケシは、キョーコが何か吹き込まれて帰宅したのではないかと疑った。
「この番組って、録画だよな?」
「たぶん。」
「覚悟してたほうが、いいかもな、、っていうか、俺はここから出ないどく。」
腕を組んだタケシがソファーに座り込んだ。
「・・・そうだな。」
タケシと蓮の組合せでは、LA時代を知る人には髪と眼の色が違っても「久遠」とバレる可能性が高い。キョーコといても、キョーコの彼氏が「タケシ」をプレゼントしたことはあっさり知れるだろうから、、、タケシがテレビ局に行く事自体、さけるべきなのだ。そして、万が一にそなえ、社長に報告しておくべきなのだろう。
「久遠」であるとスッパ抜かれるのだけは避けなくてはならない。
「で、キョーコには伝えなきゃな。」
タケシの言葉に、蓮はぎくりと身をゆるがした。



*****
お気楽ご気楽な下世話な口喧嘩を書く予定が、なんだか怪しげな雲行き・・・
タケシ、頑張れるのか?!いや、蓮さんしっかり〜



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