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Shinkai-gyo21

解説と目次



真っ暗、、
誰か、
誰か、いませんか?

ねぇ、
お願い
誰か応えて!


【Shi N Kai Gyo】


「良い子ね。」
その声に、キョーコは安堵した。何か総てが終わったような平穏を感じた。
なのに。
ぬるり
身を包む感触に寒気がした。
チガウ!
欲しいのはこの感触じゃない。
包み込む温もりが欲しい。
・・・カレガホシイ
「そう、それでいいのよ。きっと貴女を求めて彼は来るわ。それでこそ、我が娘。」
「おかあさん・・・。」
顔が見えない存在にキョーコは呼びかける。
「彼が此処へ来たなら、貴女は一生彼と離れることは無いのよ?ずぅっっと一緒にいられるの。離れることもない。同じモノを見て、同じように感じて、同じように生きるの。」
うっとりとした声がキョーコを包む。
「同じように、、、感じる?」
イヤ!
考える前に拒否した。そんなんじゃない。
蓮と同じになりたいのじゃない。
蓮が感じる世界を教えてもらいたいけど、、同じ感覚になりたいのじゃない。
キョーコはハッと両手を口に翳した。
ショータローを追いかけていた時は、常にそう思っていたのでは無かったか?
ショータローが楽しいものは楽しくなければならず、美味しいというものは美味しくて。嫌うものは嫌った。
でも、違う。
蓮には、美味しいと思うものを増やして欲しいと思う、知らなかった事を教えて欲しいと思う、蓮が思ったことを、知りたい。
蓮といたら、もっと世界が綺麗に見えると思った。
蓮と触れ合うだけで、違う世界が見えた。
だから、知りたいけど、同じになりたいんじゃない。
きゅぅ
身体の芯が引き締まる。
触れ合うたびに、きっと、新しい形が見える。それは、蓮とだから。蓮を通して世界を見るんじゃない、一緒に並んで見るから見えるものがある。

「おかあさん、私、蓮の家に帰りたい。」

「彼を迎えに行くのね?」
キョーコは首を振った。
「蓮のいるところが、私の居場所なの。」
「キョーコっ?!おかあさんの言うことが聞けないの?そんな子に育てた覚えはないわっ!」
「ごめんなさい。」
その言葉は、思っていた以上に簡単にキョーコの口を飛び出した。今まで言っていたのとは意味が違っていた。今までなら胸に刺さって抜けなかった「そんな子に育てた覚えはない。」その言葉が、なにか違う次元のものに感じられて、胸に痛みが走らなかった。
・・・もう、おかあさんの期待には応えられない。応える必要がないと、思っている私を、、、どうぞ、赦して。

ダメーーーーーーーッ!!

暗闇にその悲痛な叫びが響き揺れる。
ワタサナイ
オマエヲ
アノ男ニハワタサナイ!!

キョーコは両手で胸を抑えた。
蓮といる時の開けた視野と綺麗な景色を思った。
ひび割れていた心に注がれた清水の迸りを思った。
慈しみの雫。
柔らかな色彩の宝石がキョーコの胸に、落ちた。

キョーコ!

それは伸ばされた逞しい腕。
ぐいっと力強くキョーコを抱きすくめた腕。
キラキラと闇のなかに差し出されたその腕に、キョーコは全てを委ねた。

私は生きていく。

私として生きていく。

蓮となら、見える世界が美しく、全てに意味があると思えるから。
そう、意味がある。
蓮と一緒に見る景色に意味がある。
闇では、、何も見ることができない。
闇では、、何も考えることができない。
程よい光の中でなら、モノの形も姿も見えるのだ。
それはとても美しく目に映る。

望んでいたのは、闇夜ではない。
そして、眩すぎる光の中でもない。
、、、蓮の姿を見れる世界。

「私は、蓮が好き。」

最初は闇夜を逃れる手段だった。
一緒にいれば、闇に飲み込まれずに済んだ。ただ、それは、、
理屈なんかじゃない。
蓮といたら、闇に飲まれない。闇に自分の望む生き方はない。
闇から逃れたいと願っていた自分を見出すきっかけを蓮がくれた。そして、蓮はキョーコであることを認めてくれた。
違う身体だと、蓮に抱かれて知った。抱かれる悦びを知った。
違うから、交われたことに歓喜するんだ。
まるで奇跡のような瞬間を求めるんだ。

白く眩い光に包まれて、キョーコは固く目を瞑った。
蓮に抱きすくめられた感覚にただ酔う。

「う、、ん、、。」
目醒めたのは、蓮のベッドの中だった。
「おはよう。」
キョーコの髪を蓮の長い指が梳く。その擽ったいような感触に身を竦める。そして、そのことで、蓮の逞しい身体の上にしがみついていた自分にキョーコは気付いた。
「!!!!!」
「想像以上に情熱的で、、素敵だったよ。」
蓮はけろりとキョーコの耳許に囁いた。
「なっっっ!はれんちですぅぅぅ!!」
キョーコは顔をこれ以上ないほどに真っ赤に染め上げたが、口元がほころんでいた。
「おかえり。」
微笑んだ蓮が再びキョーコの髪を撫でた。
「・・ただいま、、です。」
ぎゅう
キョーコは蓮の身体にしがみつく。その感触を温もりを確かめるように。
ぎゅっ
蓮がキョーコを更に強く抱き締めた。
「痛い。」
「うん。」
ただお互いの存在を確かめるように、身体を絡めあう。


「え、、じゃ、私、一週間も無断欠勤だったんですか?」
キョーコから離れようとしない蓮が、手を繋いだままスマホの日付表示を見せた。あの晩、母に連れられていったあの情景は、単なる夢のように思えてもいたキョーコだった。そもそも、この部屋のドアを開け、エレベーターを使った感覚がない。真っ白で何も見えない世界と真っ暗で何も見えない世界を、感覚が行ったり来たりしていたようだった。
「うん、忽然とこのベッドから消えちゃったからね。社長も知ってる。」
蓮はまた、キョーコが消えるのではと危惧して、手を離さないのだとキョーコは知った。
1週間、この世に居なかった?
「どういうことだか、さっぱりわからないんですけど。」
「うん、それを説明しないといけないね。」
蓮がそっとキョーコのネックレスに触れる。
「服、着ませんか?」
おずおずとキョーコが切り出した。




*****
キョーコちゃん無事帰還ですが、皆さんの頭に?マークが出てますよね、、
多分、キョーコちゃんも??ですので。(ということで)


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