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領主の城-1

更新できないかもの中、メモで書き溜めたもの放出!!
パラレルです。
途中からえらくエログロ(またかよ!)になっちゃうので、そちらは隠し部屋に行きます〜


「なんて甘美な・・・」
うっとりと耳許に落とされた声に、身体じゅうがわなないた。

1・招待

深い森の向こうに、白く光るお城が見える。こんな天気の良い日にはその尖塔の先がきらきらと輝いて、お城をいっそう美しく彩る。
ほぅ・・
キョーコはその景色に小さく溜め息をもらして、手にした箒を動かし始めた。庭のお掃除に、お洗濯に、お料理、キョーコがやらなくては行けない事は山積みだ。ぼんやりと手を止めてしまっては、また何を言われるかもわからない。
きゃははは
屋敷内からは楽しそうな笑い声が響く。このお屋敷の子息のショーにお友達が遊びにきているのだ。キョーコはショーの言いつけで、屋敷の裏庭で掃除をしている。
・・・目障りだからな、顔をだすなよ。
その言葉とその時の彼の表情を思い出して、キョーコはムカムカする憤りを噛み締める。けれど、顔を出すなといわれて、ほっとした自分もいるのだ。着飾った同じ歳ぐらいの女の子達と並べられるのは、けして居心地の良いものではない。立場が違うから、そう頭は理解していても、心はわかってはくれない。
「居候」
幼い頃に母に連れられて、キョーコはこのお屋敷に来た。お屋敷のご主人夫妻と母が何かの取り決めをしたのだろう、母はキョーコにそれを説明しないまま姿を消した。
「この家の娘なのよ。」
夫人はそうキョーコの事を云ってはくれるが、多忙でそう構ってはくれない。その代わりに面倒をみてくれるメイド頭がいたのだが、彼女も仕事が多い。それが何となく申し訳なく思えて、キョーコはだんだんその手伝いをするようになった。そうやって過ごしているうちに、メイド頭が倒れ、その代わりに家事を采配するのがキョーコの役割になっていた。最初のうちは、そんなことはしなくていいと云っていた夫人も、何事も器用にこなすキョーコに任せておくようになったために、その信頼にキョーコは応えるほうに懸命になった。
着飾る事に憧れながらも、動きやすい服装が日々の生活には欠かせない。
「快適に過ごせる。」
「美味しい。」
そう褒められる事が嬉しくて、それに懸命になった。
「キョーコの作ったもんの方が旨い。」
それは何時だったか、まだ幼いショーが女の子が作ってきたクッキーにそう感想を述べた。キョーコは舞い上がる程、それが嬉しかった。ショーが喜んでくれるなら。だから、お菓子づくりだけでなく日々の料理にも一生懸命になった。
・・・なのに。
あははは
ショーは綺麗なドレスに身を包んだ女の子達に囲まれて、ご機嫌になっている。彼女達が持ってきたお菓子はみな不味くて喰えないと棄てるくせに、一緒に楽しそうに過ごしている。
ほう・・・
キョーコは何度目かの溜め息をついた。
夫人がせっかくキョーコに用意してくれたドレスも、着ていくところがないし、着飾ったキョーコを見てもショーは一緒に出掛けようとも誘ってはくれない。
「プリンが食いたい。」
そう言われて、キョーコはいつもの服に着替えて、調理場へ走り去る。ショーはキョーコの見た目ではなくて、キョーコがすることを認めてくれているんだと思った。このまま、このお屋敷で、ショーと一緒に過ごしていくのだと。

「なんかアイツ勘違いしてんだよ、使用人として置いてやってんのになー」

笑い声に混じって聞こえたショーの声に、キョーコはびくりと身体を震わせた。ガラガラと何かが音をたてて壊れた。
ばきっ
キョーコの手元で箒の竿が大きな悲鳴をあげる。それはキョーコの心があげた悲鳴のような憤りに共鳴した。そして、ぽたっっと手におちた自分の涙に我に返る。
泣いたらダメ!
ごそっとスカートのポケットに手を入れて、キョーコは「御守り」を引っ張り出した。
きらり
空にかざした碧い石が陽の光に色をかえる。
かざした向こうに煌めく白いお城があって、なにかいつもよりいっそう神秘的に見えた。
「コーン・・・」
そう呟くと心が凪いでいく。石の光にきらきらと微笑む少年の笑顔が浮かぶ。金髪に碧色の瞳、とても綺麗な妖精の姿。
「哀しみを吸い取る石なんだよ、、キョーコちゃんにあげる。」
大事な魔法の石だけれど、とキョーコの手に握らせてくれた素敵な妖精の男の子。
「うん、大丈夫。もう、泣かないね・・・」
きゅっとキョーコは石を両手で包んで胸に抱いた。
ふと顔をあげれば、森の向こうのお城が青空を背景に輝いてみえる。
「そっか、舞踏会があるんだっけ・・・」
いつになくお城を見てしまっていたのは、今晩お城で催される舞踏会の話を聞いていたからだ。キョーコはそっと「御守り」をいつものポケットに戻した。
お城はこの辺り一帯のご領主様の居城。快活なご領主様にはとても美しい奥方様がいらっしゃって、そのご夫妻にはご子息様がお一人。クオンという名のその方が、この度20歳の成人におなりになられたのだという。そのお祝いとお披露目の舞踏会。
ーこの周辺に住まう乙女は全て、許嫁たる青年がいればその青年とともに招待申し上げる。
「ご領主様の舞踏会に、キョーコちゃんを一人でやるわけには。。」
ご領主様の「乙女は全て」という招待は、ご子息様のお相手探しだと喧伝しているようなもの。許嫁がいるならば、同年代の者としてこの領内の繁栄をともにしようという意図なのは明らかだ。
夫人の前でキョーコは項垂れた。その話の席にショーの姿がなかった。ショーは舞踏会に「お気に入り」の女の子と行くのだと夫人が説明してくれた。「許嫁」キョーコにとってショーはそういう存在なのだと思っていたのに、違うと知らされた。
「・・・いいんです、私、興味ないですから。」
ショーがキョーコのことを気に掛けてくれていなかった事実が辛い。女の子をエスコートするその姿を見るのも嫌だし、着慣れないドレスを揶揄われるような気もして、キョーコらしくもなく消極的になった。
「ごめんなさいね。」
舞踏会の噂にキョーコは憧れのお城の舞踏会の様を見てみたいと思っていたのだが、それはショーと一緒に行く想定だった。一人で行く事など考えていなかった。だから、夫人が一人で行かせたくないと云ったその理由をキョーコは問いたださなかった。
「お気に、なさらないで下さい。」
その話はそれで、終わってしまった。
そして、今、屋敷から聞こえた「使用人」というショーの言葉はキョーコにとどめをさしたようなものだった。

キョーコは自室の鏡の前で、ドレスを纏いクルリとまわった。なびいたリボンが、止まった拍子に力なく垂れ下がって、キョーコは泣き出した。
長くも短くもない髪はあちこち跳ねていて、貧弱で細い躯はまるで棒切れ。逆さにした箒がドレスを着ているみたいに見えた。
綺麗に身をかざることをしてくれば良かったのに。
そうしたら、ショーは自分を見てくれたかもしれないのに。
・・・こんな貧相な身体つきじゃなかったら。
ショーの女の子達の豊満な体つきをキョーコは思い出して、がっくりと頭を垂れた。
豊満な身体のかわりに、美味しいものを作れる手が、身軽に動ける身体がキョーコには与えられたのだから、、、平等、そういうことなんだ。
「まぁああああ〜センスのないドレスだこと!!!」
素っ頓狂な声にキョーコはびっくりして顔を上げた。鏡の中のキョーコの後ろに小柄な女性の姿がある。キョーコは慌てて振り返った。
頭の先から足の先まで真っ黒ずくめの衣装のその女性は、大きな黒い眼をくるくると耀かせて笑った。
「はじめまして、あたしの名前はジェリー・ウッズ。美しさを追求する「魔女」よ。」
ジェリーはひらりとマントらしき布をひろげて、キョーコの身を包み込んだ。
「あなたの人生を5分で変える」
キラリとその眼が光って、キョーコを射抜く。
「人生って、、」
「舞踏会に行くのよ、キョーコちゃん。」
何処から出てくるのか、ブラシにくしに刷毛に細い筆、そんなものがキョーコの髪を顔を撫でて整えていく。「魔女」そう名乗られたせいか、いきなり屋敷内の自室に現われた事にも疑問が湧かない。
「私・・・」
「ああ、もう、今晩は一人残らず若い女の子をお城に集めなきゃいけないの!」
「集めなきゃいけない?!」
キョーコは驚いて眼を見開いた。
「そんなに驚かないで、ご領主様の御子息の成人はそれだけ大切なお祝い事なのよ。」
ジェリーがテキパキと手を動かしていく。
髪が整い、花が飾られて、キョーコは鏡の中の自分の顔に驚いた。薔薇色に染まる頬、艶やかな唇、輝く瞳、まるで憧れた空想の国のお姫様のようだ。
「すてき・・・」
鏡の中の自分の姿にキョーコはうっとりする。それは自分の姿に対してというより「魔女」の為せるワザへの感動だった。
「ええ、ほんとうにすてきよ、キョーコちゃん。」
ジェリーの声は優しく、キョーコはにっこりと鏡に向かって微笑んだ。


****
さあて、どこかで読んだようなお話ですが、これがどうなるとエログロになるのか?!
御愉しみに???
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