スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

web拍手 by FC2

わるいまほうー4

皆様、年末でお忙しいですよね〜
私もごたぶんにもれず、仕事に追いかけられております。


「ん!やっぱり当たりだね。」
石橋が感嘆の声をあげた。
すっかり恒例になってしまった、営業企画三課の三時のオヤツ休憩。
「石橋さんにそう言って頂けると、ホッとします。」
キョーコがにこにことそれに答える。
「・・・・。」
皆いつもの席で小さなお皿に載せられたチョコレート菓子を味わっているのだが、敦賀が何か言いたげにキョーコを見ていた。
「あ、、課長のお口にあわなかったですか?」
キョーコの腰が椅子から浮いた。
「いや、美味しいよ。」
敦賀が慌てたようにそう答え、齧りかけたそれに長い指をのばした。
「良かったです。」
にこりとキョーコは微笑んで浮いた腰を椅子に戻したのだが、敦賀のその手がピタと止まってしまったのに不審の眼になる。
「キョーコちゃんはどこで情報を入れてくるの?」
棚田が不思議そうに会話に加わったので、キョーコは敦賀から視線をそらす。
「情報なんて、そんな大したことではないです。、、強いていうなら、総務に居る親友のほうが詳しいぐらいで。」
「でもさ、総務のオヤツはイマイチになったって聞いたよ?」
にこにこと石橋がつついてくる。キョーコは苦笑いを返す。たぶん食にうるさい友人二人は今の担当者と反りがあわないのだ。それと、なんというか、今の担当者はブランド重視の新しもの好きだから、味にコダワリがないらしい、、それも友人情報だ。
「そういう石橋さんこそ、こないだのお店とかどうやって見つけるんですか?」
キョーコの切り返しに、待ってましたとばかりに石橋が笑んだ。
「同期が仲良くってね、結構夕飯とか呑みがあるんだよ。だから、会社近辺の店の情報が集まるし、なんてのかな、看板とか店構えで大体見当がつくようになったんだよねぇ。」
「あ、それ、わかります!お菓子もお店に行ってみると解るんですよ。」
「あ、やっぱり?」
キョーコも楽しそうに返せば、石橋も興奮したように、語り始める。
「二人とも、その情熱を仕事に向けてくれるといいね。」
あ、
キョーコも石橋も固まって、敦賀を見た。
「・・・すみません。」
心無しか敦賀の機嫌が悪いのが、キョーコには伝わる。
・・・チョコレートは苦手?
キョーコはチョイスを誤ったのだと、頭に記憶する。この先のオヤツのチョイスにこの系統のチョコレート菓子はナシだ。ただ、、、それでも敦賀の皿は空になっていたし、あわせて淹れたアールグレイのミルクティーも飲み干されている。
「キョーコちゃん、今度さ、一緒に買い物行こうよ。」
お皿を集めるキョーコに石橋がけろりと言った。
「お、光やる気だなぁ。」
石橋の席の横から、椹がちゃちゃを入れる。
「だって、営業の貴島さんも頼るお菓子センスですよ、どのへんにポイントあるか知りたいじゃないですか?」
「なんていっちゃって、デートの誘いじゃないすか。」
けけっと棚田が笑った。
「で、デートって。」
石橋とキョーコが同時に声をあげる。
「いんじゃないすか〜ウチ社内恋愛禁止じゃないし、お似合いっすよ。」
「棚田お前、空気読め。」
新開が、ひそっと三人に声をかけた。三人が怪訝そうに新開をみれば、新開が横目で敦賀を見ている。敦賀はこちらを無視することにしたのか、興味がないのか、広げた書類をめくり始めている。
「すいません。」
棚田が軽く頭を下げる。休憩は終了だから、無駄話はやめろということらしい。キョーコは回収した皿類をのせたトレーを手に給湯室にあわてて向かおうとする。
「手伝うよ。」
石橋がそう言ってキョーコにくっついてきた。

「ありがとうございます。」
手際よくキョーコが洗う食器を、石橋が拭き上げていく。
「一人にやらせちゃだめでしょ、こういうのはさ。」
「石橋さんは優しいですね。」
キョーコの言葉に、石橋が少し耳を紅くした。
「先輩の受け売りなんだけどね。けどさ、ほんとに三時楽しみだからさ、手伝わせて。」
「はい。よろしくお願いします。」
キョーコはニコニコと微笑む。
「うん、こちらこそ、よろしくね。」
そうやって和やかに戻ってきた二人を、敦賀がちらりと見て、そして、また書類に難しい顔をしていた。キョーコは悪い事をした覚えも無いのに、居心地の悪さになにか落ち着かずに自席についた。落ち度があるなら、敦賀は口にするだろうから、言われるまで気を揉んでも仕方がないとキョーコは深呼吸して、三時の前にまとめていた書類の確認を始めた。

ちらり
ちらり
時々キョーコに向けられる視線。利き手の右側だから、いままでも、右側からこちら向きに座る敦賀の視線が気になっていたのは確かなのだが、今日は特に刺さるような気がする。「何か?」と聞いてしまいたいようで、聞けば叱責が待っているようで、キョーコは居心地の悪さだけを感じていた。
「あ〜遅かったかぁ。」
そんな空気を破る妙に明るい声。
「貴島さん。」
石橋が声を上げる。
「よっ、お疲れ〜、キョーコちゃんのオヤツにありつけるかと思って寄ったんだけどさ。」
「残念でした、さっき終了ですよ。」
石橋が答えた。キョーコは少し戸惑って石橋と貴島を見た。先日は敦賀を訊ねてきた貴島だが、今日は石橋なのか?
「そっか〜。」
そう言いながらも、貴島は三課の課長席にむかって歩いてくる。
「敦賀くんどうよ、オヤツタイムはなかなかにやる気増しだろ?」
キョーコはびくびくと身を竦める。今日の敦賀の様子からは、オヤツ廃止もおかしくはないと思うのだ。
「ああ、そうだね。最上さんの隠れた才能もわかったし。」
え?
キョーコは思わず敦賀をみてしまう。
「だろっ?だからさ、営業同行はキョーコちゃんがいいんだけどな。」
「は?」
キョーコは思わず声をあげていた。営業企画の人間が営業に同行するのは2パターン。営業の問題を分析するためか、営業の援護か。どちらもキョーコには荷が克ちすぎる。
「それは最上さんにはまだ、、、はやいから。」
敦賀が言葉を濁らせる。
「そんなことないでしょ、キョーコちゃんなら、ウチの気が利かない連中より相手に気に入られると思うんだよね。」
「それは課内で解決してくれ。最上さんはウチの人間なんだから。」
「なんだよ、意固地だなぁ。営業企画って営業の支援業務じゃんか。」
貴島は軽く言い放っているが、中身はかなり辛辣な気がする。
「あのぅ。」
何をさせようとしているのか、疑問もわいてキョーコは口を挟もうとした。
「まだ、教育途中なんだ、やめてもらえないか。」
敦賀がキョーコを無視して貴島にぴしりと言い返す。
「へぇ、きょーいくね。」
貴島がにやりと笑った。
「キョーコちゃん、大変だ。」
「へ?」
キョーコには二人の会話がわかるようでわからない。
「まあいいや、公にはお願いしないよ。」
「貴島さん?」
敦賀が怪訝そうに声をあげた。
「キョーコちゃんさ、こんどのオヤツ買い出し一緒に行こうよ。」
貴島がにこりとキョーコにそう告げた。

「君はどうして、そうほいほい人の言う事にあわせるんだ?」
貴島が去っていったあと、キョーコは敦賀に会議室に呼び出された。
「ほいほいなんて、あわせてません。」
「今日だけでも、石橋君にも一緒にでかける約束をして、貴島さんにもだろう?」
「それは上役の方に言われて断れる立場にないからです。」
気軽く誘ってくれたのが本気ではなく、話の流れだろうとキョーコは思うのに、敦賀にはそう思えなかったということだろうか。しかもそうだとしても、これはプライベートではないのだろうか?キョーコの頭の中が混乱し始める。
「じゃ、俺が一緒に行こうといえば、断らないんだね?」
敦賀がじっとキョーコを見つめた。キョーコはあんぐりと口をあけてしまいそうになって、ぐっと奥歯を噛み締めた。一体どういう嫌がらせなんだろう?
「断れません、ね。」
「そう、じゃ、決まりだ。今日の帰りはつきあってもらおうか。」
「は?」
「話はそれだけだから。」
途方に暮れるキョーコにクスっと敦賀が笑って踵をかえした。



*****
職権乱用、蓮様?!
へたれてるのか、黒いのか、、
関連記事
web拍手 by FC2

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

message
場内整備を勉強しておりますが、不行き届きがあって申し訳ありません。何かのご連絡等は<読者様相談窓口>にコメントをお願いいたします。よろしくお願いいたします。
最新記事
counter
カテゴリ
flyaway news twitter
ブログとHPの更新状況とちょっと呟き フォローはご自由にどうぞ!(フォロー返しはあまりないかも)
Link
上部のサイト様は相互リンクいただいてます。 マナー携帯でご訪問くださいませ。 下部のサイト様は大好きサイト様で、リンクフリーに甘えさせていただいてます!!
検索フォーム
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。