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Shinkai-gyo11

解説と目次


昏く重い水の底

明るさに天上を目指せば
容赦なくその圧差に身体が軋む

明るいところから
海底を目指せば
深まる程かかる圧力に身体が軋む

少しづつ
少しづつ
上昇と下降を繰り返し
身体を馴染ませる


【Shi・N・kai・gyo】


「復活」
キョーコはゆっくりその言葉を口にして、ペンダントをそっと摘んで眺めた。
柔らかい薄桃色が、光の加減で薄く濃くゆらめく。
ひび割れた心の奥に潤っていく水の色が、なにか暖かい色をしているようにキョーコには思えた。

「気に入ったみたいだね。」
珈琲の薫りとともに落とされた声。
キョーコははっと顔をあげる。
その貌は少し紅を掃いた。
「はい、ありがとうございます。」
素直に言葉が口をついた。
「なんだか、こう無敵になったような気がするんです。」

くす
蓮が笑ったので、キョーコは少しムキになった。
「嘘じゃないです!」
「・・嘘だなんて、言ってないけど。」
カチ
小さくテーブルとソーサーが音をたてる。
「どうぞ、ミルクとお砂糖は入れたよ?」
あ。
キョーコはそこで、少しはにかんだ。
この数日間で、蓮はキョーコのコーヒーの飲み方を覚えてくれたのだ。
・・この人のそばに居て良い、そういうこと、だろうか。
「ありがとうございます。」
そっとキョーコはネックレスから、手をカップへと移す。
マーブル模様を描くコーヒーに、更に笑みが溢れてしまう。
「・・・ちゃんと模様ができてる。」


何日目のことだったか。
朝の食卓で、コーヒーを淹れるのは、兄の仕事なのだと奏江がいって、おろおろしていたキョーコの前に差し出されたコーヒーカップ。
「ミルクとお砂糖は?」
訊ねられて、「いります」とキョーコは答えた。
「どのぐらい?」
「え?」
大きな手がコーヒーシュガーをすくったスプーンをキョーコに示す。
スプーンに軽めの1杯。
くるくると廻して、注ぎ入れるミルク。
「ちょうどいいところで、止めて。」
「はい、そこで。」
渦を巻いたところに注がれたミルクは、マーブル模様。
「模様になってて、可愛い。」
小さくキョーコはそう言って、カップを覗き込んだのだ。


「ラテアートとかは無理だけどね。」
蓮はそう言って、キョーコの横に座る。
運転中に感じた威圧感が、消えていた。
家に居るときの少しゆったりとした雰囲気に、キョーコは包まれる。
・・・この人は、何を思い、何を感じるのだろう?
じっとコーヒーを飲む蓮を見つめる。
ん?
キョーコの視線に気付いた蓮が、はたとキョーコを見た。
「いえ、あの、、。」
・・・「好きだといったよ。」
突如キョーコの脳裏に声が響いて、かぁっと頭に血が上る。
それを見られまいと慌てて俯いた。

「あの、どうして、隠れ家って。」
そこまで口が動いて、キョーコは慌ててまたつぐむ。
どうして隠れ家が必要なのか?
どうして隠れ家に招待してくれたのか?
、、どちらを先に聞く方がよいのか。

必要なのかと聞けば、それは自ずと、蓮の生活に立ち入るということで、
招待と聞けば、、、それは、あの晩の、身体の関係を持つために「家」ではない場所で、という答えにつながりそうな気がした。
・・・「先に進めたい。」
車内で聞いたその言葉の意味を、キョーコもわからないではない。
ただ、それはつい先日まで、ショータローとの関係で、キョーコが望んでいたもの。
でも、望んでくれたのは蓮で。
キョーコを好きだと言ってくれた人で。

「そうだよね、隠れ家なんて、驚くよね。」
蓮の声が、キョーコの思考を中断した。
「君にはちゃんと見せておくべきだと、思ったから。」
「?」
キョーコは顔を上げて、蓮を見た。
「奏江も知らない、秘密。」
蓮の瞼がぎゅっと閉じられて、長い睫毛が揺れる。

ゆっくりと開かれた瞼から覗いたのは、碧色の虹彩をもつ瞳。

「!」
キョーコは両手で口を覆い目を見開いた。
驚きのあまり、叫ぶ声も出ない。
困ったようにキョーコを見るその翡翠のような瞳を、ただ見つめる。

・・・・とても綺麗。

そう思った瞬間に、キョーコは抱きすくめられた。
「ありがとう。」
耳許に囁かれた声。
「君の声はちゃんと聞こえるんだ。」
「私、声なんて。」
「うん、音ではないけど、綺麗と言ってくれたね。」
「はい。綺麗だと思います。」

・・・あいつに言ったみたいに「魔界人!」ていわれるのを覚悟してた。

それは、キョーコの頭に響いた、声。
「え?」
「ああ、ちゃんと届くね。」
今度はちゃんと耳から蓮の言葉が届く。
「ど、どうして、魔界人だなんて。」
動揺しながら、キョーコは言葉を返す。
「気持ち悪いだろう?瞳の色が変えられるなんて。」
蓮の声が少し震えていた。
「どうして気持ち悪いんですか?」
「え?」
驚いたように蓮が声をあげた。

・・・特別なモノを持つ人は、特別な使命があるんです!

キョーコは力強く、蓮のその碧色の瞳を見上げた。



*****
やっと、きましたよ〜
キョーコちゃんメルヘンワールド!!
で、お待ちかねの(?)次回は限定。(言わずもがな?)
12書けましたが、限定の前振りでおわってます、、ごめんなさ〜い!
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