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ASH-13

久々すぎて、すみません〜〜〜
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身体は、正直だ。
すぅすぅと安心しきって眠るそのあどけない寝顔に欲情している。
組み敷いて想いを遂げるのは、簡単、、だ。
でもそうじゃないと、押しとどめているのは理性なのか、心、なのか。
「私はあなたを不幸にする。」
そのどうにもならない台詞を口にしたキョーコは、このあどけない寝顔のキョーコとは違う気がする。このあどけなさが、無防備さが誘惑のようで鉄壁の防御。
その肌に触れようとすることが、まるで禁忌を犯すのかのように思わせる、から。

眼を覚ました時、彼女は隣にいなかった。
いつ寝てしまったのかと蓮は思う程、眼は冴えていたというのに。落ちた睡眠が深かったのだろう、隣の気配にすら気付かなかった。
ごそりと身体を起こしてリビングにむかえば、キッチンから元気な声がした。
「おはようございます。」
・・・いつも通り。
何があったわけでなくとも、同じベッドで寝ていたということは、彼女にはなんら影響を齎さなかったのだろうか。蓮は苦笑する。
彼女は気付かせない。自覚のあるなしに関わらず、心の裡を簡単には曝け出さない。簡単に晒しているようで、心の奥底に隠しているものがある。
「おはよう、、ちゃんと眠れた?」
「はい、ありがとうございます。」
「そう、なら、よかった。」
「あの、、敦賀さんも、眠れ、ました?」
少し上目遣いで蓮を覗き込む貌に、胸が掴まれるのは毎度のことだが、回を重ねるごとに蓮の欲望を膨らませている自覚が彼女にないのが忌々しい。
「・・久遠って、よんでといったよね?」
ひぁっ
キョーコが小さくなって俯く。
「その、、まだ、なれなくて、、ごめんなさい。」
「・・そう。」
落胆を隠そうともせずに、蓮は小さく溜息をつく。
ダイニングテーブルにはきちんと朝食の準備が整っていて、ちゃんと二人分あることに、くすぐったい気持ちもありながらも、よくわからないモヤモヤが蓮の中に蟠(わだかま)る。
「ごはん、ありがとう。」
そう口にすれば、キョーコが明らかにほっとした気配を帯びる。
「召し上がって下さいね。あとはスープをよそうだけなので。」
ぱたぱたとすこしあわてたようにキョーコがキッチンへ逃げていく。
・・そう、逃げていく。
「好きだ」という告白を受けてなお、恥じらいだけではないものが、蓮との距離を作る。

距離、壁・・・防御。

「うわ、、今日の占い、残念。」
ダイニングテーブルの向こうでTVが朝の番組を流していた。キョーコはその占いに反応したらしい。
「占い、気にするんだ?」
「え、気にしませんか?」
「気にした事、ないな。」
「でも、水瓶座は今日のラッキー星座ですよ。」
するりするり、無難に会話が流れていく。
「へぇ、そう、ラッキー、、ね。」
仕事運、金運、、恋愛運。画面のテロップには星座ごとにが運ごと順番に点数付きで表示される。水瓶座の恋愛運はラッキーというわりに、ふるわない点数が表示されていた。
「どこがラッキーなんだ。」
蓮のつぶやきに、キョーコがビックリしたといわんばかりに眼を見開いた。
「・・・・仕事運、金運がパーフェクト、ですよ?」
どこまでもキョーコはするりするりと躱していくつもりらしい。
「山羊座は恋愛運がパーフェクトだね。」
にこり
蓮は微笑んで、キョーコを見る。
「・・っえ、、仕事運がなくって残念なんです、けど。」
キョーコが蓮から眼を逸らす。蓮は小さく嘆息した。
「撮影に入るのに、。」
「あ、あぁ、そうだよね。」
演じるという仕事に真摯であれと、自分がキョーコに言い続けてきた癖に、自分の恋の前には仕事ですらただの一手段になっていた。演技をつける、そんな理由をまことしやかに通して、彼女を側に置きたがる身勝手。
・・・彼女達が必死だったのは。
かつての蓮の彼女達が、何か理由をつけて蓮を拘束したがったそれと同じだ。
キョーコが断れない理由をつけて、拘束して。
なのに、触れられない。

*****

「本気の恋はもういいや。」
貴島が折り畳み椅子の上で伸びをしてそう言った。
「え?」
蓮は思わず聞き返していた。
キョーコとは局の駐車場で別れて、蓮もドラマの撮影の現場にいる。セットの待機中で貴島と並んで椅子に座っていた。
「苦しくない?本気ってさ。」
貴島が聞き返すなんて珍しいっという顔のまま蓮に答えた。蓮は答えに惑う。今撮影しているドラマに恋愛要素は入っていない。貴島の発言の意図が読めなかったのだ。まして、貴島が本気の恋が苦しいというのが、何か不思議だった。
「・・そうだね。」
「ちょっといいなって子と楽しく過ごす方がさ、平穏だよね。」
貴島が蓮から顔をそむけて、床を見つめる。
「・・何か、あった?」
プレイボーイ・貴島と本気の恋というのが、彼の主義にあっていない気がして、蓮は尋ねていた。
「ドラマの脚本てさ、っていうか、映画とか、、俺らが演じる恋愛は、綺麗で楽しいじゃん。」
「・・・」
「ま、切恋とか不倫とかさ、ドラマチックではあるけど、現実よりはキレイだよね。」
貴島が少し屈めた姿勢を起こす。
「娯楽だから、それでいいんだろうけどね。」
蓮はただそれを聞く姿勢になって、貴島を見ている。本気の恋を知らない役者に恋の演技はできないと、社長に言われたのを思い出しながら。
「なりふり構ってられないなんてさ、みっともないんだよ。」
ふぅう
貴島とも思えない暗い溜息に、蓮は思考を切り替えた。
「ひょっとして、、貴島君て、水瓶座?」
「は?」
鳩が豆鉄砲を食らったとでもいう貴島の顔に、蓮は笑みをこぼす。
「いや、今朝ね、恋愛運最低って、きいたから。」
「へえ、敦賀くんは水瓶座なんだ?」
にかり
貴島が雰囲気を変えて嗤う。
「敦賀くんと占い、かぁ。・・・恋は楽しい?」
ぐっと蓮はその質問に息を呑み込んで、苦笑を零す。
「・・苦しいね。」
「だろっ?楽しいだけなんてさ、ホントの恋じゃないよな。」
蓮の発言にツッコミもせずに貴島が続ける。
「けどさ、ちょっとしたことへの舞い上がりっぷりってかさ、ちょっとしたことが嬉しいんだよ。だから、厭なんだ。」
貴島が溜息をつく。
「本気だなんて、知られたくない。」
その言葉に、蓮は虚を突かれたような気がした。いかにも貴島らしい言葉だと思いながらも、なにか自分やキョーコに当てはまることでもあるような。
玉砕覚悟で体当たりでもないかぎり、本気を晒しきれるものではない。
不安を燃やし尽くせるだけの熱情。
それが、あるか。
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