野茨の冠 7

シリーズものパラレルです。
前シリーズは解説と目次を参照下さい


****


きっかけは、電車。

「兄さんの話だから、事実ではないかもしれないわよ、、。」
奏江はそう前置きした。
村雨はこの後の合宿に来る。
また、何かトラブルになるのは、、、ナツは嫌だった。拗れるのを面白がっていたあの頃とは、違う。
アソビでは済まされないような事は避けたかった。
蓮に絡んできた村雨を、思い出す。

「痴漢にあってた女の子を敦賀さんが助けたの。」
敦賀さん、潔癖なのかしらね。と奏江が苦笑する。
痴漢行為をしていた男を駅員に突き出した。
男は同じ高校のOB。
村雨が、兄貴と慕っていた男だった。

「それはただの、逆恨み。」
ナツが感想を洩らした。
「ま、ね、女の子もタチが悪かったのよ。」
ギクリ
ナツは内心自分のことのように思えて、言葉を飲み込む。
女の子は、村雨の幼馴染。
だから、、当然、痴漢の男は顔見知りだった。
「ファンですーって、金魚のフンみたいにしてたらしいのよ。」
だからって、痴漢はないわよね、と奏江は嘆息した。

・・・電車には乗らないようになった、、

いつかの蓮の言葉をナツは思い出す。

「責められるべきは、痴漢でしょ?だけど、村雨君にはそうじゃない。」
まして、幼馴染は蓮をヒーローとみなして、熱をあげた。
蓮を追いかけ回す姿に、周囲は白けて見ていたのだという。
ただでなくても目立つ蓮が、正義感で人助けし、女の子に熱烈に追い回されるなど、ただの妬みの積み重ねにしかならなかった。
「まあ、腕っ節に自信のある男って、そうなのかしらね?」
彼女を諌めるのではなくてね、と、奏江は苦笑をもらす。
助けたんなら、付き合ってやれよと、村雨は拳で脅したらしい。
けれど、結局、舎弟もろともコテンパンにのされたのだと、後日知れ渡った。
「で、敦賀さんは引越して、学校にも最低限しか登校してこなくなったらしいわ。」

「まあ、うちの兄なんか、完全に日和見だから、ハタで見てただけよ。」
村雨一派に呼び出されたらしい、けど、翌朝、一派が入院し、呼び出された本人は登校してきた。

「なんだか、それは。」
ナツは眉をひそめた。
「そうね、、。」
喧嘩両成敗、、。孤立を深めた蓮、腕力に傷のついた村雨。
「その、村雨さんの幼馴染って、結局どう?」
「居るわよ、うちの大学に。まだ敦賀さんの追っかけ。」
え?
ナツはギョッとした。
「だからね、その、女嫌いだから敦賀さんは彼女がいないとか、それだったらまだ良かったんでしょうけど、貴女と付き合ってる。だから、、。」

村雨には、面白くないのだろう。
そして、その彼女もまた。

ふと、図書館で蓮の隣にいた人を、ナツは思い浮かべた。
ゼミ棟の入口にいたピンクのワンピースの、小柄な彼女と、同一人物だと思い至る。

蓮があの時、ナツを追いかけてこなかったのは、その女の子だから?

高校時代を、蓮がまだ引きずっていた。つきまとう人を突き放せないまま、ただ年月が過ぎて。

どうして?

面倒ごとに巻き込まれないように、引越して。
それなのに、逃げ切ったわけでもなく、
突き放せもせず、

村雨はしつこく蓮を問い詰めようとして。
それに、真っ向から、蓮は対峙していないのだろう。

何か、が、あったのだ。

ナツはそう思った。




*****
うーん、、、
ごめんなさい。


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